『かべのシミのこと』


『このあいだ、ねつでふとんでねていたら、かべのシミが「ねえねえ」と話しかけてきました。びっくりしてゆめかなあと思った。わたしは、ママに聞こえないようにこしょこしょ話をしました。わたしは学校の話をしました。メダカの水そうがみどりになった話とか、ウサギのマルの話をした。それで学校いいでしょと言いました。それから、「かべから出られないなんてかわいそう」と言いました。シミは「そうかなあ」と言いました。それでシミはかべの中の話をしました。どこにネズミの道があるのかとか、アリんこがどういうないしょ話をするのかとか、白アリがどこにすんでるのかとか、ゴキブリはなんでどくだんごを食べても死なないのか聞きました。それで「かべに入れないなんてかわいそう」と言った。わたしは「そうかなあ」と言いました。おもしろかったです。』


「ねえあなた、まゆみが授業参観でこんな作文を」

「どれ…ふうん、シミってあそこのことかなあ」

「心配だわ…」

「ほんとだね…白アリいるのかこの家…」

「そうじゃない」

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