幕間〈星蝕〉

 この地の木々、枝葉は空を掴み喰らう根だ。

 今日も捕食者は空へと大口を広げて、いつかは遙か向こうをも飲み込まんとする。そよ風に揺れる葉音さえ、せせら笑いか、獲物への舌鼓だ。

 彼らの触手は星を蝕み、支配権を手に入れつつある。

 齎される豊穣を食すべからず。彼らの触手が血脈に巣くう。やがて彼らの手のないところはなく。

 この星に降る何かを、緑と静寂で、ひたすらに待ち構えている。

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