第3話 また会いたい

家に着く。正直記憶はおぼろげで

夢のような時間だった。いつもの居酒屋とは違う、きらびやかな夜の世界。

行くことのないと思っていた世界。

すぐに呑んだくれ仲間に連絡する。


[昨日行ったバーすごくよかった!店員さんが優しくて!!]

[へぇ、なんてところ?]

[うんとね!よくわからないけれど、ゲームした!]


泥酔状態で、知り合いに連れて行ってもらっただけだからお店の名前さえも覚えていない。。


[また行きたいなぁ~。場所が分かればな~・・]

[俺そこ知ってる。昔行きつけだった。]

[え?]


この時から胸の高鳴りが止まらなくなっていた。

名前も、正直顔さえもよく覚えていないお店の人。もう会うことないと思っていた人

それからは早かった。

知り合いがいろいろ調べてくれて、名前も、恋人の有無も。

時代は便利だけれど怖いもので、ネットから調べたりもしてくれた。一歩間違えたらストーカーです。

エンくんは一個下だった。誕生日も一日違いで、かなえは運命を感じずにはいられなかった。


この頃にはエンくんの一瞬の優しさを思い出してはいろんな感情がこみあげてくるまでに恋をしていた。

エン君の優しさが、お店の人としての優しさかわからないけれど

それでも根本的に優しい人だとは感じ取れた。


エンくんは完璧にバーテンダーというわけではなくて、本業がある人だったから

週末しか会えるチャンスがない。

泥酔して迷惑をかけたのはわかっていたから1人で行くのは怖いと言ったかなえに

呑んだくれ仲間が、一緒に行くと言ってくれた。


ーエンくんに会うまであと5日ー

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