第44話 衝撃の告白
僕の名前は沖田ヒロト。どこにでも普通にいる中学生だ。って普通って言うなし〜普通ってどこまでが普通でどこまでが普通じゃないから何が普通なのかも分からないでしょ? そう僕は至って普通の中学生だけど、僕の失った記憶の世界ではかつて勇者として如月れいかと旅をしていた。その世界では僕は勇者だけどレベルが上がってもステータスが伸びない呪いのせいでバトルの時はほとんどお荷物状態で命の木の実ばかり食してた。これはそんな記憶を失った僕と記憶を失わずして生還した如月れいかの物語である。(勇者ステータス縛り!異世界最速攻略目指して全力疾走を参照)
ある日僕は歩いていた。何処をかって? そりゃいつもの登校の通学路だよ。
「あ、!もしかして君、沖田ヒロトくんじゃない?」
見知らぬ女性に話しかけられる。僕って女子高生に話しかけられるようなことしたっけな?
「そうですけど、なんですか〜?」
「覚えてない?私だよ。如月れいか。ほら、君と一緒に異世界で冒険したでしょう?」
この女子高生何言い出すかと思えば、全然リアリティのない異世界の話をしだした。
異世界なんてそもそも存在するわけないし、ましてや女の子と仲良く旅に出てたっていうのはもっとありえない話だ。
「僕そんなこと全く知らないんですよ。お姉さんもしかして人間違えてませんか?もしくは世界規模で大きく勘違いされてないですか〜?」
「そうか、覚えてないんだね。私のこと」
どうやら本気で落ち込ませてしまったようだ。残念そうな彼女の顔を見て仕方なく話だけは聞いてみようと思った。
「うーん、僕はヒステリーなことに興味あるわけじゃないけど、一応話だけは聞かせてくれないかな?」
「聞いてくれるんだね。ありがとう。君は口はあれだけど内面は優しい人だね」
「そ、そうかな…」
優しいとか言われちゃったよ〜なんか恥ずい、というかめっちゃ恥ずかしい。
赤面してるのがバレないようにちょっと顔をそらす。
「いい、君が異世界に飛ばされたのは女神様がいうには私と朝道の角でぶつかった時、君は車に運ばれたんだ。ほぼ瀕死状態で命が助かるかどうか分からない状態だったんだ」
「うん、それでそれで」
話の中の女神様というのが何故か分からないが随分おっちょこちょいな女神だったと記憶している。
「私たちはその世界を闊歩し色んな街を歩いて、途中でさ。ボスモンスターを倒したりしてさ。大変だったけど、どうにかしてラスボスの竜王をやっつけたんだよ。私のマダンテで!」
「うっ・・・頭が」
急に頭が痛み出す。記憶を脳が思い出させようとしてるからであろうか。
「大丈夫?沖田くん」
「ああ、平気平気かな…続けて続けて」
「そこでねその世界で勇者だった君は記憶を失って現実世界に戻ってきたんだよ」
「思い出した…何もかも」
あの日僕は登校時にパンを咥えた女子高生如月れいかとぶつかり、そこで倒れたひょうしに車に轢かれて三途の川の世界へ連れてこられて女神に勇者に無理やりされた。
「覚えてる、私が君にキスしたことも」
「は、はい覚えてます」
あの時の胸のドキドキを思い出し、今の僕の心臓もバクバクしだす。この僕がこんなに動揺するなんて…これが女子力ってやつの力なのかな…。
「私さ。お礼が言いたくてさ。あともう一つも」
「もう一つ?それって何かな?」
「私ね、あの時の一件から沖田くんのことが好きです。よければ私とお付き合いしてください!」
「ええ〜!?!?そんな急に言われてびっくりだよ。でもね…うん…僕もそういえば好きだったんだれいかちゃんのこと。思い出したよ。あの楽しかった頃の思い出をさ」
「じゃあ…」
「うん、付き合いしようか」
「うん、早速だけどLINE交換しない?また連絡とって会うためにね」
「僕も賛成だよ」
れいかちゃんとLINEを交換した。全国の童貞の皆さん、僕はこの度童貞からリア充へとジョブチェンジしました。皆さんも頑張ってください。なんてね〜冗談だって冗談。これは僕の特訓の日々の中の1つのエピソードでした。
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