第30話 また会おうな

「伊吹さん、今日でようやく退院ですよ」


「本当ですか!?」


長かった入院生活もようやく終わりの時が来た。俺は自室で荷物の整理をする。服や時計、タオルにシャンプーなどなど。両親が来るまでの間、ホールへと出た。


「なあ、ヒロトにカケル!俺は今日でようやく退院だぜ!」


「そうなんだ〜僕たちもね明日退院なんだよ〜」


「ここともお別れだな。…さよならの時だな。ちょっと寂しいぜ」


駅前のカードショップ。俺はふと浮かんだ。確か家から20分ほど離れたところにカードショップ店があることを。


「なあ、駅前のカードショップ店ラスゴってところがあるの知ってるか?」


「おう、そこなら知ってるぜ!俺様はそこの常連だからな。また逢えるな」


「僕とソウタちゃんは学校でまた会えるから問題ないよね〜」


お別れの時だ。時間は10時。親の迎えがきて荷物をまとめて持ちホールの出口の扉のところでナースが扉の鍵を開けてくれるのを待つ。


「じゃあなヒロトにカケル。また会おうな」


「おう、またな」


「まったね〜」


ヒロトとカケルに見送られて俺はホールの外へと出る。ナースさんにも見送られて俺は退院した。ここでの生活は長かった。何もない部屋に閉じ込められてた隔離病棟に、カケルとヒロトと出会った一般病棟。ここで俺はワールドクリエイトに出会いいろんな相手と戦って、井の中の蛙かもしれないが俺もそれなりに強くなれたと思う。カケルやヒロトそして遠藤さんに大林さんのおかげで。


母さんは笑みを浮かべこちらを見る。


「あんた、ようやく退院だね。おめでとう。どう少しはカードゲームはつよくなれた?」


「うん、それなりに強くなれたよ。新しいデッキも完成してこれからが楽しみだよ」


こうして俺の入院生活は幕を閉じた。







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