第12話 俺を呼ぶ声

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ヒロトサイド[レベル3ジバゲイザー パワー9000]

サポートカード[パワー×2 パワー+5000 ブーストカード]


ソウタサイド[レベル1パワー2000]

サポートカード[なし]

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後攻の俺のターンでレベル3を倒して一気に逆転したい

ところだがサポートカードはジバゲイザーに3枚裏にされており

使えるサポートカードは無い。だからこの状況をひっくり返す手立ては

モンスター効果しかないことになる。



俺はレベル1の赤の宝玉(今名付けてみた)をレベル2ウルフェンに進化!

ヒロトと同様にモンスター名を命名したくなったのでつけてみた。

なんかテンションが上がる。


レベル2ウルフェンの効果はレベル3のカードをこのカードに置いた時

サイドデッキから1枚使用できる効果だ。


「なるぼどね〜レベル3と組み合わせてサイドデッキから一気に

攻め落とすつもりなんだねソウタちゃん」


こくりとうなづく。ヒロトも納得した表情を見せる。


エナジーカードを使いレベル3イレイザードラゴンを召喚だ!

さらにレベル2のウルフェンの効果でサイドデッキから

1枚使用させてもらうぜ。

俺が使うのはパワー×2のカードだ。


「お〜ソウタちゃんやるね〜でもこれで終わりじゃないでしょ」


「おう、当然だ」


さらにレベル3のイレイザードラゴンの効果でエナジーカードを2枚裏にすることで

サイドデッキからさらに2枚使用できる。

これで使うのは攻撃回数+1のカードとパワー×2のカードだ。


これで場の状況は


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ヒロトサイド

[レベル3 ジバゲイザー パワー9000] ダメージ4

サポートカード

[パワー+5000 パワー×2 ブーストカード]


[レベル3 イレイザードラゴン パワー9000] ダメージ6

サポートカード

[パワー×2 パワー×2 パワー×2]

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つまりこのままバトルすればイレイザードラゴンがパワー9000×4で

36000の2攻撃回数が出来る。

これならパワー(9000+5000)×2の28000のパワーを超えられるぜ。


「ふふふ、なるぼどね〜初心者にしてはかなり強いね〜僕も参っちゃったよ〜」


ヒロトはこの状況でもまだ余裕そうな素振りを見せる。

ということはまだ布石の手が残ってるということだ。

どこだ。Tゾーン、サポートゾーン、手札、エナジーゾーン

消去法でまだ可能性があるとしたら手札だ。

今までの戦術からして、手札にTゾーンのカードを活かす効果のカードが

あるのだと考えていい。遠藤さんの時もそのカードで危うく逆転されそうに

なった。


「僕を使って」


「え?」


「ん?何ソウタちゃんどったの?」


「また声が…」


「声?そんなの聞こえないけどなぁ」


気のせいだったのだろうか…。でも確かに聞こえた。俺を呼ぶ声が。

手札を見返す。そうかこの手があったか。

今場にあるエナジーカードはちょうど1枚だ。


「レベル1赤の宝玉を召喚し、さらにレベルにワイルドマジシャンに進化だ」


「ワイルドマジシャン…ワイルドだねぇ…」


「効果発動、場のエナジーカードを3枚デッキに戻すことで

相手のTゾーンの5枚のサポートカードを裏にできる!」


「なんと!?そんな効果きいてないよぉ…」


ワイルドマジシャンの効果でTゾーンのカードを裏向きにしたことで

Tゾーンから発動出来るタイプのカードは封じられたつもりだ。


「じゃあいくぜ!イレイザードラゴンでパワー36000の2回攻撃だ!」


イレイザードラゴンの攻撃でジバゲイザー1体とダイレクトアタックの

ダメージで合計8ダメージだ。

これでヒロトの負けとなる。


「ちぇー。負けちゃったか〜。まさかワイルドマジシャンのようなカードが

あの土壇場でくるとは夢にも思わなかったよ」



「へぇーヒロトを倒すとはやるじゃねーか。よっしゃ!

俺も久々に燃えてきたぜ。ソウタ!この俺手塚カケル様と勝負だ」


「カケルちゃんノリノリだねぇ。でもそろそろ昼食時間だから

後にしておいたほうがいいと思うよ〜」


「しかたねぇな。なら一旦解散だ」


「じゃあな〜」


俺はいったんホールを離れ自室に戻っていった。

しかし、あの声は何だったんだろうか。

ふと疑問に思う。カードの精霊とか、まさかね。





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