第11話 ヒロトの実力

「せっかくだし一戦やってこうぜ。ソウタ」


「いいぜ、どちらと戦えばいいかな?」


「お前はワールドクリエイトの腕はどれくらいだ?」


「最近始めたばかりだけど」


そう、俺はごく最近始めたばかりの素人ちゃんで

もしかしたら彼らとはレベルが違うかもしれない。

だけど対戦してみたい!俺の闘争心が自身にそう訴える。


「そうか、なら先にヒロトと対戦してみろよ。俺に負けたとはいえ

ヒロトはなかなか強いぞ〜」


「ははは、言うほどじゃないかもしれないけどよろしくね。ソウタちゃん」


お手柔らかに

そっちこそ


なんだかこの展開は燃える

しかも、机の上にワールドクリエイトのプレイマットが敷かれていて

このプレイマット上でバトルするらしい。

なんか新鮮味があっていい感じだ。


カードバトル!ザ・クリエイト!


先攻はヒロトのターンからだ。ドローをする。いよいよ同年代同士のデビュー戦だ。

緊張するなぁ、、、。


「僕はレベル1ウータンを召喚するよ」


「ウータン?何それ」


「あ、なんとなく名前をつけてるんだ。その方がなんかいいでしょ」


「せやな」

とちょっと呆れ顔で返事をする。


「ウータンの効果でサポートカードを2枚裏にしてデッキから

エナジーカードを場に置かせてもらうよ」


なるほど。このカードなら攻撃がレベル1に限定されてる序盤で

安定してエナジーカードのアドバンテージが取れるというわけだ。

俺の場のサポートカードには攻撃回数+1のカードがないから

ヒロトの場の攻撃対象変更カードで攻撃を防げるというわけだ。


「僕のターン終了だよ〜」


「次は俺のターンだ」


俺はデッキから1枚引く。

手札はレベル1が3枚にレベル2が2枚そしてレベル3が1枚だ。

手札のレベルバランスはいいほうだ。


「俺はレベル1のパワー5000のカードを召喚だ。そして

このカードにパワー+5000を使い攻撃だ。

まあ、この展開なら攻撃対象変更カードを使ってくるだろう。

そう思っていた。


「そうだな〜じゃあこのカードはダメージゾーンへ送るとするよ」


「え?攻撃対象変更カードがあるのに使わないのか?」


「チッチッチ、ソウタちゃんそれじゃ甘いよ〜。

確かに攻撃対象変更カードを使えばウータンを守れるけど

そうしないのはTゾーンに表のカードをなるべくたくさん貯めるためなんだよ〜」


Tゾーンの表のカードはカード効果のコストの対象になるケースがあるから

攻撃対象変更カードを使わなかったというわけか。


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ヒロトサイド [モンスターなし]


ソウタサイド [レベル1 パワー5000]

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「僕のターンだ。このターンで新しいサポートが5枚補充されるね〜。

僕はレベル1のミイライムを召喚し、効果でTゾーンの裏のサポートカードを

2枚表にするね。さらにエナジーカードを裏にしてレベル2のジャクラーを

召喚だよ。効果でサイドデッキから3枚サポートカードをTゾーンに送るね」


ヒロトが送ったのはブーストカード3枚だ。


「じゃあ場のパワー×2を使いパワー7000×2の14000で

さらに攻撃回数+1のカードでレベル1とソウタちゃんにダイレクトアタックだ」


「グアーー!!!」


ちょっとノリで言ってみたが場の空気がしらけて気分がショボーンとなる。

ああ、他の患者さんもこっち見てるよ…これ絶対痛い子として見られてるよね・・・


それはさておき、これでダメージが1:2でヒロトが僅かながら優勢だ。


「ソウタちゃんは確かワールドクリエイトを最近始めたばかりだから

初心者だよね。でもなかなかうまいと思うよ。僕の体感としてはね」


「あ、ありがとう」


「ダメージを2与えたから2ドローするね。これでターン終了だよ」


「俺のターン!ドロー」


俺はレベル1を2体召喚し、片方のレベル1をレベル2、そしてレベル3へと上げた。

レベル1のほうはいつも活躍してる攻撃されず、味方攻撃時にパワー2000を

与える効果持ちのカードだ。

レベル3のほうは攻撃時パワー+10000のアタッカーカードだ。


「レベル3で攻撃回数+1のカードを使いパワー18000の2回攻撃だ」


「うわーやられた〜。なんちゃって。これでダイレクトダメージと

レベル2撃破で3ダメージの計4ダメージか〜。ソウタちゃんは3枚ドローだよ」


デッキから3枚引く。出だしは好調といった具合だ。


「まずいね〜僕もここから逆転していかないと」


ヒロトはレベル1を出し、さらにエナジーカードでレベル3を一気に出してきた。


「レベル3のジバゲイザーだよ。命名は僕が今考えたんだ〜。

このカードはねTゾーンのカードを5枚裏にすることで

相手の場の3枚のサポートカードを裏にできるんだ〜」


「つまりサポートカードが封じられたということか」


「うん、そうゆうこと。じゃあジバゲイザーに攻撃回数+1を使って攻撃だ〜」


レベル3が倒されダイレクトダメージを喰らいダメージは6:4

一気に逆転される。ヒロトの戦術はTゾーンに表のカードをためて

レベル3のジバゲイザーでサポートでは反撃のできない状況を作る

攻めと守りの両方を兼ね備えた戦術だったのだ。


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ヒロトサイド [レベル3ジバゲイザーパワー9000] ダメージ4


ソウタサイド[レベル1 パワー2000] ダメージ6

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