第5話 決着vs遠藤

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遠藤サイド [レベル2 パワー7000]


伊吹サイド[レベル3 パワー8000]

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遠藤さんの場にはlv2が1体でパワーは7000、俺の場はlv3が1体で

パワーは8000、直接対決ではこちらの方がパワーは高いが

場のサポートカードの種類によっては簡単にパワーが負けてしまう。

俺のターンの終了時にサポートカードはTゾーンに送られ

サイドデッキから5枚引く。

そのカードがどうかパワーが上回っていますようにと祈った。

そして展開されたサポートカードは俺の場はパワー×2が1枚と

攻撃対象変更カード2枚、ブーストカードにエナジーカード1枚で

遠藤さんの場はエナジーカード1枚と攻撃回数+1のカードが1枚に

攻撃対象変更カードが2枚にブーストカードだ。


「ではわしのターンじゃ、ドロー。ワシはlv1を召喚じゃ。

このカードはパワー2000で攻撃されず、味方攻撃時

このカードのパワーを味方1体に与えられるんじゃ。

更にワシはエナジーカードを使いlv3を召喚じゃ。

このカードはパワー9000で攻撃時パワー+3000となるのじゃ」


こっちのパワーはパワー×2倍を使えばパワー16000で

遠藤のlv3はパワー9000+3000にブースト2000のlv1の効果で2000

合計16000でぴったりパワーが足りないはずだ。

この攻撃は防げるぞ!笑みを浮かべたが、遠藤さんも笑みを浮かべている。


「お前さんの考えが手に取るように読めるぞい。じゃがのこのlv1はこういう使い方があるのじゃ。ブーストカードはlv1のパワーを与えるのではなくて、

lv3がlv1にパワーを与えるのじゃ」


なんだって!? ・・・そうかそういうことか。

ブーストでパワー11000になったlv1の効果を使えば

lv3は計9000+3000+11000でパワー23000

パワーが足りない。


「ホッホッホッ、これで終わりじゃな。攻撃対象変更カードを使っても

ダメージ6じゃからパワー23000の2回攻撃は防げんぞい」


負けた。

そう思った時だ。


「僕を使って」


また声が聞こえた。

どこからか聞こえる不思議な声。

その正体は分からないが、一応手札をみる。

そうか!このカードがあれば


「遠藤さん。勝負はまだついてませんよ。俺もさっきあなたが使ったカードを

使わせてもらいますよ」


「なんじゃと!?まさか…」


「そう!俺が使うのはこのlv1のカードだ。このカードを使えばデッキに戻すことで

Tゾーンから裏のサポートカードを使用できる。

俺が使うのはパワー2倍のカードだ」


「くっ、そうきたか…これでわしのターンは終了じゃ。じゃがの

お前さんのlv3ではわしのlv3はパワー8000と9000で1000足りないぞい」


「そうですね。今の俺の手札にはそのカードがありませんが

恐らくこのデッキは両方とも同じデッキですよね。ならさっきのターンで

あなたが使ったlv1を引き当てれば俺の勝ちですよね」


「そんな奇跡が起こるかの?」


「引いてみせますよ!このゲームと遠藤さんは俺を楽しませてくれた。

なら俺はこの引きで今度は俺が楽しませてみせる!俺のターンドロー!」


ただ1枚のカードを引くだけの行為に渾身の魂を込める。

そして手札へと加わったカードはまさしくそのlv1だった。


「俺はlv1を召喚。そしてバトルフェイズ!lv1の効果でパワーを与える」


「まさか本当に引き当てるとは」


この奇跡のドローに遠藤も驚いたようだ。

たかだかlv1だがされど一発逆転を呼び寄せる。

ワールドクリエイトの奥深さを実感した。


「見事じゃ。わしのまけじゃな」


勝った。

思わずガッツポーズをする。

初めての対戦だったけど、どうにか勝利することができた。


「買った褒美じゃ、そのデッキを持って行くがよい」


「え?いいんですか!?」


「わしを楽しませてくれたお礼じゃ、受け取るがよい」


「ありがとうございます」


こうして俺は遠藤さんからデッキを受け取った。

ワールドクリエイト…こいつを極めてみるのも悪くないと思った。


「遠藤さん、伊吹さん、お昼の外出時間が過ぎたので、お部屋に戻ってください」


ナースさんが時間ぴったりに呼びに来る。

時刻は15:00で次の外出時間は18:00となる。


「伊吹くん、また明日バトルしような」


「はい!喜んで」


俺は部屋にそのまま戻っていった。





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