第3話

川瀬の部屋を後にして、自分の寮部屋に帰った俺は、

翌朝になって、れえが昨晩部屋に来ていた事を同室の稲城から聞かされた。

れえの様子がどうしても気にかかった俺は、昼休憩になるとれえのクラスに向かい、

ざわついた教室をのぞきこみ、れえを呼んだ。

「れえ!」


俺の声にそれまで机に伏せていた目線を上げたれえは、目が合うとすぐに俺のいる方に向かってくる


…んだけど、アレ?


なんかいつもと違う


不機嫌とも違うし。

ぼーっとしてるつうか、考えごとをしてるような

まさか昨晩ロミオさんとなんかあった…とか


「れえ、なんかあったのか?」

「え」


れえは途端現実に引き戻されたような顔になった。

「昨日ロミオさんとこにいたんじゃねえの」

「あ、うん。バイクな乗っけてもらって」

やっぱりか。

でもなんか、こないだとはまた違った感じの言いにくそうなしどろもどろさ。

ほんとにどしたんだ?


「ロミオさんになんかされた?」

もどかしくて直球で聞いてしまった。

「いや、別に......つうか、」


あれ?

ん?


れえ、なんか


すげー思い違いみたいだけど、全然目を合わせないようとしない。

なんだコレ。

これまで、こんなことなかった


まさか、まじでロミオさん鬼畜な行動に走ったんじゃ…



「俺、ちょい、用事あるから、また後でな」

て、言うとれえは足早に去っていく。


こんなことはじめてで、俺はしばらく呆然とその場に立ち尽くした。

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