第3話
川瀬の部屋を後にして、自分の寮部屋に帰った俺は、
翌朝になって、れえが昨晩部屋に来ていた事を同室の稲城から聞かされた。
れえの様子がどうしても気にかかった俺は、昼休憩になるとれえのクラスに向かい、
ざわついた教室をのぞきこみ、れえを呼んだ。
「れえ!」
俺の声にそれまで机に伏せていた目線を上げたれえは、目が合うとすぐに俺のいる方に向かってくる
…んだけど、アレ?
なんかいつもと違う
不機嫌とも違うし。
ぼーっとしてるつうか、考えごとをしてるような
まさか昨晩ロミオさんとなんかあった…とか
「れえ、なんかあったのか?」
「え」
れえは途端現実に引き戻されたような顔になった。
「昨日ロミオさんとこにいたんじゃねえの」
「あ、うん。バイクな乗っけてもらって」
やっぱりか。
でもなんか、こないだとはまた違った感じの言いにくそうなしどろもどろさ。
ほんとにどしたんだ?
「ロミオさんになんかされた?」
もどかしくて直球で聞いてしまった。
「いや、別に......つうか、」
あれ?
ん?
れえ、なんか
すげー思い違いみたいだけど、俺と全然目を合わせないようとしない。
なんだコレ。
これまで、こんなことなかった
まさか、まじでロミオさん鬼畜な行動に走ったんじゃ…
「俺、ちょい、用事あるから、また後でな」
て、言うとれえは足早に去っていく。
こんなことはじめてで、俺はしばらく呆然とその場に立ち尽くした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます