第7話

「お前ね、欲望垂れ流しすぎ。分かり易すぎ。

顔にかいてあるよ。お前の場合、礼に近づくな俺の礼に触るな。…だろ、さしあたり」


………

俺…そんな顔に出てたか?

いやきっと違う、

ロミオさんが言うとおり、きっとこの人もだからだ


「汚ねえ…結婚なんて嘘か」

「嘘じゃないよ。結婚はする。本当に」

「じゃあなんで」

「可愛がりたいと思うのに理由や状況なんてぐだぐだかんがえてるからお前はガキなんだろ」



は!?



わけわかんね

なんだこの自信…戦線布告って事か


「俺の軽口のせいだから何ともふがいないが、お前も礼が大事ならしっかり守れよ。ぬかるな」

「…守るつったって…れえはそんなタマじゃないでしょ」

「強がってたって礼の本性は誰かに甘えたい盛りの甘えっ子だよ。そんな事もわかんないのかよガキ」


くっそ…面白くなってきてんだろ…俺にガキガキゆうの


「それともお前、俺じゃない誰かに礼が甘えて耐えられんのか」

「ロミオさんでも嫌ですよ」

「はは、認めたな」


うっかり…てほど気持ちが焦ってないのは

この人のあっけらかんとした強さがあるからだな

その点は尊敬するよその点だけはな…


「今日の授業はそれだけ。はー…夏の訓練が楽しみだな」

ぽんっと俺の肩をたたいてロミオさんが楽しそうに笑いながら訓練室を出て行った。


…ロミオさんが、本気でれえの事を…?



まじめに考えてたのに

すげー間抜けな自分の腹の音でハッと我に返った

くそー…学食行ってる時間もう無いな


しかたないから購買でパンを買って教室で食おうと思ったら

教室の前に人だかりが出来てる

なんだと思ったらその中心にれえが

なにごとだ…


「おいれえ、どうした」

「兄ちゃんが来てて、それで…」


まわりの戦闘科の奴らが騒ぎすぎでれえの声が聞こえない

そりゃそうか、普通科で姫扱いだったのに

戦闘科だとこうなるの当たり前だ


俺はれえの腕を引っ張って中心から引きだそうとしたけど

熱くなったクラスメイトがそれを阻んでくる

なんなんだよお前らよ!!飢えすぎだろ!!!



「五嶋見て見て!!れえちゃん首筋!!」

「あ?」

浮かれ上がったクラスメイトの声に苛立った声で返事したけど、

そいつが差したれえの首筋にうっすらと

でも確かに、昨夜の俺の痕が残っていた。

「絶対キスマークー!!」

そう言われたれえは、言った奴に向かってくってかかった。

「ちげーよっ!!ばかかっ」


「お前らやめろ」

「何よー五嶋俺らにマジ威嚇すんな!仲間でしょうが~」


俺のマジっぽい雰囲気を察して周りの熱も一気に冷めてった

つまんねーなーとか言いながらクラスメート達はしぶしぶ退散していく。

なかば呆然と、呆れたような表情でれえが溜息をついた。

「戦闘科の奴らマジ話通じねえ…動物園かよ」


「ごめんな、」

痕…つくほど噛むとか…



「あ?くにのせいじゃねいだろ」


こんな…力こめたのか…

犬歯の痕じゃなくてよかった…いや、そうじゃなくてな俺…

ほんのかすかなのに、れえが肌白いから何度そらしてもどうしてもそこに目がいってしまう


なんつうか…壮絶に


エロ…



「それより兄ちゃんが、」

「ちょ、悪い、またあとで!!」

「あ?くに!!どこ行く」

「便所!!!」



はー…マジで動物園だよね…俺も含めてな…

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