第6話
朝礼のチャイムがなって俺達は自分達のクラスに分かれた
教室の前まで来たところで、廊下遠くにれえの姿が見えた。
れえも気づいたらしく大きく手をふってくる
「起こせよばぁか!」
憎まれ口をたたいても顔は上機嫌そうだ
良かった。
いや良かったのか…?
もういいや
気持ちを伝えるのもとにかく今は置いておこう
れえを大事にしたい
れえを幸せにしたい
もうしばらく、
近くでれえの笑顔を見ていたい
これおかしいか
昨晩みたいな暴走をしなければ
俺はれえの前でそれを貫き通せる
そう、何度も心の中で繰り返し思って過ぎたその日の授業は、半分も耳に入らなかった。
昼食時間になり、学食に移動するとき携帯が鳴った。
ロミオさんからのメールだ。俺の携帯に直接メッセージが来るなんてめずらしい。
『昼飯か?俺今学校いるから訓練室来い』
有無を言わさんこの端的な感じ、こーえー…
昨日の今日でなんだ…?
まあ、行くけど
あー腹減ったー…
「うーす…」
「よー国彦。ちゃんと一人で来たな」
「訓練室って書いてあったしシメられんのかなと思って」
「シレっとした顔でそうゆう事言われても全然嬉しくねぇよ」
真性のドSめ…
「礼どうだ」
「…別に変りないすよ」
「あ、また敬語!いい子だねー」
「面白そうすね。いいでしょ、学校なんだから。訓練始まると甘えてんじゃねえとかいうんでしょどうせ」
「わかってるねお前」
この人、昔からそうだけど俺とれえで態度ぜんっぜん違う
俺には結構あたり強いんだよな…
別にネコかわいがりされてもうれしくないけど
「そんなにれえが心配?」
昨晩のれえの寝言の甘えた言葉尻を思い出して、思ってる以上に苛立った音になってしまった
「へえ、お前がそんな感情出すなんてめずらしいな」
「心配“ですか”?」
「いや敬語とかじゃなくて」
っていうロミオさんの表情は笑ってるけど、なんか怖い
無駄に威圧感がある
「心配だよ。俺のだから」
「…は?」
「あいつほんとに大丈夫?冗談で白ランにしろなんていったけど、結構心配でさ。人気あるだろ」
「いや、…そりゃ、ちょっと前まですげー姫扱い…で、や、ちょっと待て、俺のってどうゆう」
「お前と一緒だと思うけど」
俺と一緒って…
何?
どうゆう意味だ?
待て、結婚は?
急に何言ってんだこの人
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます