第2話

入学式では意外にも、れえの他にもちらちらと白い学ランの生徒が見えたけど、やっぱれえの目立ち方は特別…つうか異常だった。

クラスに分かれ簡単な自己紹介や明日の入寮の流れを聞いてしまうとその日はもう昼前に帰宅する事になり、俺はれえと一緒に帰ろうと廊下に出た。

俺の所属する戦闘科クラスから間教室二つ挟んですぐのところにれえのいる普通科の教室がある。

そっちへ向かう途中俺はクラスの担任に呼び止められた。

古いデザインの眼鏡をかけたひょろりとほそ長い中年の男性教諭だ。


呼ばれて入った社会準備室には、分厚い地図帳が高く積んである。

「あー…五嶋、これ運ぶのちょっと手伝ってくれ」

「これ、全部すか」

俺は一番上の一冊を手に取った。埃で真っ白になっている。

「これを、視聴覚室に移動させたいんだが、今台車壊れててな。帰る際にすまんが、…あー…五嶋」

「いいですよ、全然」


あー…でも腹減った。あれそういや視聴覚室ってどこだ?


「先生視聴覚室てどこでしたっけ」

「おぉ、そうだったな、こっちだよ」


先生の背を追いながら本を運ぶ。

しっかし、重…


視聴覚室に向かう道のりの途中で、食堂を横切った。

あまりの空腹といい匂いにちらりと目をやると、

満席に近い賑やかな食堂に、れえとれえのクラスメイトだろうか数人の姿が見えた。みんなゲームに夢中だ。

なんか仲良くなんの妙にはえーな

とか思いながら、一度目は行き過ぎて


視聴覚室の本棚に地図帳を並べると、

また残りの地図帳を取りに社会準備室に戻る。


食堂を通りすぎる時またちらりと目をやると、

今度は四人でゲーム片手にうどんすすってた。


俺が抱えきれるギリギリの本を両手に乗せ、また食堂の前を通りすぎた時、

もうすでにうどんを食い終わった四人はまたゲームに夢中になっている。


食うの早!!

つうか、俺も食いてぇ…腹減った…


急いで視聴覚に地図帳を運ぶ。

あとひいき目に見ても半分はあったな。

俺は早く飯を食いたいとゆう一心で必死に本を運んだ。


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