第4話 ぬくぬくぬくぬくぬくぬくぬくぬく
扉の奥には、我が家の部屋の一つが広がっていた。奥には二階へと続く階段も見える。
自然と顔がニヤついてくる。
なんせ、やっと我が家に帰ってきたのだ。
俺は早速布団を敷き、中に入る。
ぬくぬくして気持ちが良い。
「はふぅ…」
なんか、布団の中でぬくぬくしてる時って安心するよね!
俺がぬくってぬくりまくっていると、目の前に自分の拳程の黄土色の球体が現れた。球体はそのまま空中に浮遊している。
なんだこれ?と思い触れてみると、指先に謎の感触が伝わってきた。
硬くもなく柔らかくもない。なんとも不思議な感覚である。
球体をつついて遊んでいると、球体の方から声が聞こえてきた。
「これより、具体的な説明を開始いたしますね」
と言っていた。
この声は、アリアさんのだ。
一体俺は何回説明を受けなきゃいけないんだ…と思いながらも、彼女の説明に耳を傾ける。
「この球体は、あなたに創っていただく世界の今の状態です」
ほうほう、本当に何にもないみたいだな。この黄土色のは砂的なヤツだろう。
「それではまず、この世界のお名前を決めてください」
いきなりの重役!!
ぽくぽくぽく...ちーん。
閃いた!
命名:
説明しよう。この名前はこの世界を創りし俺の頭が永遠に禿げないことを願った、とてつもなく縁起の良い頭なのだ!
...おい!今俺のことを可哀想なものを見る目で見た奴全員出てこい!
「は、はぁ。それで登録しておきますね」
彼女は呆れた声で言った。
こうして、俺の創る世界の名前が決まったのだった。
あ、オレアタ(【俺の頭】の略称)の重力とかその他諸々ってどうなっているのだろうか。
聞いてみる。
「一応、今の設定ではすべて地球と同じ状態ですが、変える事も出来ますよ?」
へぇ...そんな事まで出来るんだ。すごいなぁ。まあ、めんどくさいから特に変えるつもりはないけど。
「それでは、いよいよ貴方の世界を創っていただきます」
(*-`ω´-)9 ヨッシ!!気合入れてこう!
いや、俺、今布団の中にいるんだけどね。
「基本的には、【神ポイント】を貯めて生物であれば配置していきます。その生物が、エネルギーを生産、消費、摂取する事と、呼吸をする事によって 【神ポイント】が発生します」
あー、なるほど!
(小、中学生の頃に「あー、なるほど」って言うと周りが喜ぶよね!
中1とか下ネタ大好きだもんね!
※わからない人の為に
「あーなるほど」→「アーナルほど」→「【アーナル】ほど」→「【アナry」)
「それで、月末の最終合計【神ポイント】によって給料が変わります。【1億神ポイント】につき、1円です」
それが多いのか少ないのかは現時点では分からないが、暇潰しには丁度いいかも。
「それでは、私はこの辺で。頑張ってくださいね!」
こうしてオレアタからの音声は消えた。
さて、実際にイジってみるかな...
俺はオレアタを見てみる。
すると、オレアタの右上の方に【神ポイント】が表示されていた。現在の【神ポイント】は1000である。
左上には、『誕生0年』と表示されている。
よし、まずは空気からだな。
ここは、地球と同じでいいだろう。
そんなことを考えていると、さっきまで無かったはずの【気体】の欄が球体の下に出てきていた。
【気体】
空気(地球):窒素%、酸素%、二酸化 炭素%、その他(アルゴン等)%
【神ポイント】200ポイント
俺は【神ポイント】を200ポイント消費させて、空気(地球)を発生させる。
次は、海を創ろうか。
すると、【気体】の欄から【液体】の欄が表示される。
【液体】
食塩水(地球 太平洋):水%、塩%、
【神ポイント】300ポイント
俺が神ポイントを消費し、海を出現させるとオレアタが黄土色から青色に変化した。
おお!!こう、目に見えるくらいの大きな変化があると結構面白い。
残りは500ポイントである。
取り敢えず陸地を作らなきゃな。いずれは、人間も住んでもらいたいし。
【液体】から【陸】に変化する。
【陸】
陸地(土):土100%
【神ポイント】0
ここにきて、【神ポイント】0はありがたい。
どうやら、真っ平らに土を盛っているだけで山や谷のようなものは出来ないっぽい。
因みに、どういう風につくるかは決まっている。
俺は球の真ん中に大きな円状の大陸をつくり、さらにその裏側にも同じものを作った。そして、その円を中心に左右それぞれ上、真ん中、下、と計8個の大陸をつくった。
大雑把だが、図に表すとこうである。
真正面から見た図
海海海海海海海海海海海海海海
〇〇〇〇海海海海海海〇〇〇〇
〇〇〇〇海海海海海海〇〇〇〇
海海海海海●●●●海海海海海
〇〇〇海●●●●●●海〇〇〇
〇〇〇海●●●●●●海〇〇〇
海海海海海●●●●海海海海海
〇〇〇〇海海海海海海〇〇〇〇
〇〇〇〇海海海海海海〇〇〇〇
海海海海海海海海海海海海海海
〇=陸●=裏側にもある
何故こんな形にしたか気になるって??
仕方ないなー。今回はト・ク・ベ・ツに教えてあげちゃうぞ♡
ズバリこれは、ディズ〇ーランドの形である。
中央にシンデレ〇城があり、その周りに左上から左下にかけてクリッ○ーカントリー、ウエス○ンランド、アドベン○ャーランド。右上から右下にかけてファンタ○ーランド、トゥー○タウン、トゥモ○ーランド
という訳だ。
この形は非常に優れており、行きたい場所に最短距離で進むことが出来る。
つまりこの形を利用すれば、人間が生活する際の物流が安易になるのではないかと考えたのである。
これで、少しでも人間が活動しやすくなったら【神ポイント】が入りやすくなるはずだ。
残りのポイントは、取り敢えず植物プランクトンと動物プランクトンに使った。
食物連鎖がうまくいくように、植物プランクトンを大量投入しといた。動物プランクトンは少しだけ。
投入すると、早速【神ポイント】が100増えていた。
しかし、プランクトンから発生するポイントはほんの僅かのようである。
そーいや、人間ってどれくらい【神ポイント】が必要なのだろうか。
気になったので見てみる。
【生物】
人間(♂):初回100人のみ18歳から35歳ランダム
【神ポイント】
消費 100人:100億ポイント
発生 1人当たり 平均1万ポイント/日
人間(♀):初回100人のみ15歳から30歳ランダム
【神ポイント】
消費 100人:200億ポイント
発生 1人あたり 平均1万ポイント/日
ぎょええええ!お高くとまりますわね!
恐らく、初回100人の年齢の範囲が決まっているのは生殖活動的な面のことを考慮してのことだろう。
そして女性の方が男性よりも必要な【神ポイント】が高いのも、子孫を残す器官が備わっているからだろう。
ともあれ、人間を発生させるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
どうやら主人公は、世界を創るそうです 腹痛人間 @yabusamesetu
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