第3話 扉のノブには色々な効果があるっぽい
扉の奥には、目を見張るような絶景が続いていた。
どこまでも続く草原。
そして水色の空。
空には白い綿菓子のような雲が浮かんでいる。
…ありきたりな感想ですいませんね!!
草原の中には丸いテーブルが置かれている。
そのテーブルをはさみ、向かい合うようにして二つの椅子が置かれている。
そして、こちらから見てテーブルの向こう側には女の人が座っている。
それもかなり美人の。
おろした黒髪に、美しく、少し垂れた黒目。座っているが、スタイルが良いことがよくわかる。なんせテーブルにおっぱい乗ってるし。
「どうぞこちらにかけてください」
彼女は微笑みながら、そう言った。その美しい笑顔に思わず見惚れてしまう。
俺は彼女に従い、向かいの椅子に腰を掛ける。
「ようこそおいでくださいました。まずは自己紹介を。私はアリアと言います。一応女神をやっている者です。」
おお!なかなかいい人そうだ。さっきのドSと違って。
「俺は相川怜です。一応ニートをやっている者です」
なんとなく自己紹介をアリアさんと似せる。
…つか、ニートに「一応」もクソもない気がする。ま、いっか。
「それで、具体的に俺はどうしていけば良いんでしょうか」
そうである。折角宝くじで10億当てたんだ。こんなところにいないで一刻も早く家に帰り、だらだらしたい。
「いや、先輩のしたことだから日本には当分帰ることはできないと思います。すみません」
おいおいまじかよ。おれのだらだライフがあああああああ!!
つか、あのドS、アリアさんの先輩だったんだ。さぞかし色々大変だろう。
「あの声の人の後輩だったんですか。さぞかしいろいろ大変でしょう?」
俺は普段あの人(女神だけど)とどういうに接しているのか気になったため、聞いてみた。
「いや、先輩はとても良い方ですよ?とても後輩想いで」
「でも、言っちゃ悪いですけどあの人ドSじゃないですか?」
「ま、まあ、多少というか、かなり強気なお方ですがそれもまた良い...♡はぁはぁ...なんだか先輩にされる罰のことを思い出してしまってか、ゾクゾクしてきてしまいましたぁ...♡」
おいおいおいおい!こいつ完全なドMじゃねえか!
うわ、なんか息を荒げながら太ももをこすり合わせてもじもじしてるし!!
女神ってこんな奴しかいねえのかよ!?
「は、はぁ...」
もう呆れるしかない。
「し、失礼しました。では、怜さんがこれからどうしていけばいいのかについてお話しさせていただきますね」
彼女の話を要約すると、こうである。
これから俺は、世界を作るための部屋に飛ばされるらしい。
そこで、色々やって上手く生物が活動できる状態にしなければならないそうだ。
給料は、【神ポイント】というポイントの量から決まるらしい。
神ポイントというのは、その世界の中の生物たちが生命を維持する活動を行うことによって決まるらしい。
例としては食べ物を食べたり、子孫を残したりなどである。
因みに俺も【神ポイント】についてはイマイチ分かっていないが、アリアさんが言うには「実践あるのみ」だと。
「そして怜さん。こちらの都合でいろいろと迷惑をかけてしまったので、世界を創っていただくうえで一つだけあなたの願いを聞かせてもらいます。ただ、日本に行けるようになる、というのは無しでお願いします」
ここで頼んだことによって今後の展開がかなり変わるぞ。よく考えろ、俺!
ぽくぽくぽく...ちーん。
閃いた!
「あの、家とそのライフラインとネット、後ネットで買い物ができるようにしてもらえませんか?」
「わ、わかりました。やっておきますね!」
いよっしゃああああああ!このまま何もせずにだらだらしてれば良いんじゃね?
「あ、ただ、仕事をしていないようだったら全部没収しますからね」
彼女は俺の考えを見透かすように言った。
「それでは、そろそろ行きましょうか」
彼女は微笑みながらそう言う。しかし、先ほどとは違い全然見惚れたりはしなかった。おっぱいはおっきいけど。だって、アリアさんただの変態だもん。
アリアさんが空中に手を翳すと、扉が現れた。あのドSが出したのとまったく同じ形状だ。
また静電気が来るかと思い恐る恐るノブに手を伸ばすが、静電気は来なかった。
(´▽`) ホッっとしていると、後ろからカーンという音が聞こえた。
後ろを見ると、とろけた顔をしたアリアさんがいた。そして彼女の足元には銀色のたらいが落ちていた。
もう一度ノブに触れる。
カーン。と彼女の頭に一つのたらいが落ちる。
「はぅうん...♡」
俺は確認のためにもう一度ノブに触れる。
カーン。
「はぅううん...♡」
さらにもう一度。
カーン。
「はぅうううん...♡」
こりゃぁアカン奴や。わっちにはもう手に追えん...
「ハァハァ...怜さんのかわいそうなものを見る目もたまりません...♡怜さんのこと、好きになってしまいそうです...♡」」
普通なら、こんな美人が好いてくれるなんてとてつもなく嬉しい。しかもおっぱいもおっきいしね!
そう、普通なら。
しかし、何度も言うように彼女は変態である。それもかなりの。
折角可愛いのにな、なんてことを考えながら俺は扉の奥へと進んだ。
途中、
「はぅううううんん...♡」
と、誰かさんが悶えていた気がしなくもないが、気にしない。
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