うたかたの夢

「久しぶりね」


私は夢の中で貴方に言う。

貴方は黙って静かに微笑む。


そう、これは夢。

私が見ている貴方の夢。


「私の事、許してくれる?」


貴方は黙って静かに微笑む。


夢の中でさえ、久しぶりの貴方。

夢の中でだけ、恋する女。


貴方と一緒になっていたら、今の幸せはなかった。

私を幸せにしてくれた人は、私の隣で寝息を立てている。


自由人の貴方。

きっと私の方が後悔していたはず。


だけど、貴方となら不幸になっても良い。

そう思った。


夢の中でだけ甦る狂おしい想い。


醒めればすぐに忘れるうたかたの夢



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恋詩集 ひよく @hiyokuhiyoku

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