開戦
煉、雫、涼香がセブンスが関わるかもしれない夢を見たと言う日からまる一週間経った。まだ、《グラビティ・ゼロ》の動きはない。しかし、SD内はピンと空気が張り詰めていた。まあ、仕方がない事なのだと思う。俺が煉達に《グラビティ・ゼロ》のことを話したと舞に言ったらその日の内にSDのメンバーを放課後に全員集め伝えた。当然だが不安の声が多く挙がった。
だがそれらは舞の「我々が守らなかったら誰が守る?子供のように先生達に
「最近空気重いね〜」
訓練を終えた雫が刀の整備をしてたシンに言った。
「まあなぁ、あんな話されたらこうなるわな」
致し方なしと割り切っているシンがそう言うと「まあねー」と雫も返す。
「起こってしまったのは事実なわけなのでうじうじしてるわけにも行かないですからね。今出来る自分のベストを尽くすのみです」
涼香が手をグッと握りながら言う。頼もしいな。
「シン〜、ちょっといいー?」
舞が手を招く。
「ん?何?」
「ちょっと来て。シン。」
「へいへい」
「ここなら良いかな。まあ、来てもらったんだけど今のところ現状を知りたくてね。今のところ学校周辺でおかしなところはある?」
「学校周辺では無いかな。遠方で魔物が増えてるかも」
「そっか。じゃあ、本当にそろそろだね」
「あぁ、そうだな」
「なに?緊張してんの?」
「はぁ?今更緊張するも何もねーだろ」
「あはは、確かに」
ひとしきり笑うとシンは深く息を吐いた。
「舞、死ぬなよ」
「うん。シンから離れる人はもう居ないよ。だから、死んだりしない」
「元ランキング1位に言われると心強いな」
「口が過ぎてよ?憎き現ランキング1位」
「憎くはないだろ!?」
「憎いわよ〜」
舞が言うと「ふふっ」と笑みをこぼした。
シンはこんな日常が続けばいいのにと心の底から思った。そして、そんな日は来るのかという疑問も。
「ねぇ、シン」
「ん?どした」
「あのさ、こんなこと言うと不謹慎かもしれないんだけど…」
「うん?」
「この戦いが終わったら私と…」
ここで途切れた。途切れさせられたと言った方がいい。
目の前には開戦の合図を易々と受け止めるシンがいる。そして、SDの一人である2年S組
「北西の方向から大量の魔物の反応がありました。あと、20分程で我々の学校に来ます!」
「チッ。分かった。皆に戦闘準備をさせ、
そう指示すると黄田山は「分かりました」と言って下がって行った。
「で、さっきの話の続きは?」
「ううん、お互い死ぬことのないように頑張ろってこと」
と言って踵を返すと「ほら!行くよ」と少し切なそうな顔をした舞がシンに言った。
そして、戦いは幕を開ける。
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