閑話休題〜セブンス〜

休憩所


「煉、よく勝ったな」

「ああ、シンのあの提案のおかげでな」

「提案?」

「ああ、ほら始まる前にシンが耳打ちしただろ?あの時に設置系の雷系の魔術を使えって言ってくれたんだよ」

「へぇ、さすがシンだね」

「まあね、《collar》の人間は苗字で得意な系統がバレるからなあの驕った態度を取ってる様子からして水系で来ると思ったからな」

そうやって話していると、向こうから青間海斗が歩いてきた。


「やあ、赤谷くん。おめでとう。最後の『いかずちの鳥籠』には驚いたよ。素晴らしい試合だった。次の試合も頑張れよ」

「まあ、あれは本を読んでたらたまたま見つけてそれを真似してみただけだがな」

「え、煉って本読むんだ。以外だね」

「確かにそうですね。なんか感覚でやってそうですしね」

「俺の評価はお前らの中でどうなったんだよ」

「ははは、まあ次は多分俺みたいにはいかないからな。ランクインの奴らはくせのある奴が多い。それに一位、二位の白夜舞と牙龍院花奈かなに関しては《セブンス》所持者だ。君たちも気をつけろよ」


そう言うとじゃあなと言って部屋から出て言った。


「なんか悪い人じゃなさそうだね」

「確かにね。青間先輩の言うこともあながち間違ってないからな」

「そうなの?」

「ああ、白夜舞、あいつはやばいぞ。刀を合わせるだけでアウトだ」

「ねぇねぇ《セブンス》ってさやばいって聞いたことあるんだけどどんな刀なの?」

「そうだな、《セブンス》ってのはな、赤、青、黄色、緑、紫、白、黒の7つなんだ。それぞれに固有の能力がある」

「でも、どんな能力だったんですか?聞いていると地球とか滅ぼせちゃいそうですけど」

「長くなるがいいか?」

「問題ねーぞ、次の雫までの時間はまだあるからな」

「分かった。1つ目は赤の『焔刀ほむらとう』。炎を自在に操る。その炎は2日もあれば海の1つは蒸発させることができるほどの威力があったらしい。2つ目は青の『青嵐刀せいらんとう』。これはあらゆる魔力も打ち消す鎮静の能力にけている。3つ目は黄色の『黄昏刀こうこんとう』。この刀が編み出す盾は物理的攻撃も魔術も何もかもを断絶する。4つ目は緑の『緑花刀りっかとう』。この刀は植物を意のままに操り、癒すこともできれば毒を生み出したりすることもできる。5つ目は紫の『紫閃刀しせんとう』。これは紫色のプラズマを操る。まあ、先駆者の使っていた技は多種多様だったらしい。6つ目は白の『白破刀しらばとう』。この刀は所持者の意思に基づいて破壊したいものを的確に破壊する。しかし、なぜか《セブンス》は破壊したいと思っても破壊できないらしい。最後の7つ目は黒の『黒極刀こくぎょくとう』。この刀については何も知らない。どんな文献を見ても恐ろしい刀やら禁忌の刀やらとしか載っていない。なぜか全く情報がないから巷では《スィーズ》と呼んでいる奴もいるらしい。」

「禁忌の刀って…。本当にあるのかな?」

「さあな、あったら地球の滅亡は近いかもな」

「そ、そんなに威力がやばいのかよ」

「でも、禁忌って言われてるくらいだから無きにしも非ずって感じじゃないかな」

「でも、七大剣豪って言う人たちはいたんですよね。実際に」

「ああ、だが、なぜか…黒極刀を所有してた奴と紫閃刀を使っていた奴と共通点が多いんだよ」

「てことは、同一人物かもしれないってこと?」

「まあ、そうなるかな」

「でも、なぜ七大剣豪って言われてるんでしょうか。流石にどこかの文書に書かれてあってもいいはずでは?」

「まあ、セブンスはまだ謎が多いからな」

「もうセブンスの情報はねーのか?」

「ああ、今のが全てだよ。それに、セブンスよりセブンスがどうやって生まれたか、誰が作ったか、所有していたかの方が謎が多いんだ」


みんなが難しい顔をしていると、


『さー、第5試合も終わり次は第6試合です!次の選手は二年生、虹宮奏にじみやかなで選手VS一年生黄崎雫です。後、五分後に開始いたしますので準備をお願いしまーす』


「次だね」

「私たちのクラスでは勝ったのはまだ煉だけのようね」

「おー、流石俺だな」

「何言ってるんだか、今から私が勝って二人になるに決まってるでしょ」

「ははは、雫頑張ってこいよ」

「しーちゃん、ファイト」

「雫も勝って戻ってこいよ」

雫は深呼吸をした。そして、

「うん。勝ってくるからね」

と、勝利宣言をした。


これが勝利のフラグを回収できるのか楽しみだ。と心の中でひそかにシンは思った。













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