初陣〜赤谷煉〜
新入生全員がメインスタジアムに入ると盛大な拍手が巻き起こった。
「さ、流石だなぁ」
「う、うん。プ、プレッシャーがやばいよ…」
『新入生諸君!入学おめでとう。私はこの学園の生徒会長の
そして、俺ら一年生の初めての正式な模擬戦が始まった。
[準備室]
「ヤベー、緊張してきた。」
「1番最初なんて運が悪い男ね」
「ほっとけ」
「お二人ってなんだかんだ仲良いですよね」
「良くねーよ」「良くないわよ」
「流石だな」
「仲良いんですね」
シンと涼香がおちょくるように言うと2人は睨んできた。
怖い怖い、特に雫。
「まあ、どんな相手に当たるか分からないが頑張ってこい。煉」
「ああ、全力でやってくるわ」
「そろそろね。まあ、頑張ってらっしゃい」
「なんで上からなんだよ」
「煉、頑張ってくださいね。私たちの滑り出しですからね」
「最後のプレッシャーがなければなかったらいい応援だったな。まー、煉」
「ん?なんだ?シン」
煉が涼香にツッコミを入れてあと、シンの方向を向く。
「ぶっ飛ばしてこいよ」
シンは拳を煉の肩に軽く当て、口角を少し上げながら言う。
「シンらしくねぇ言葉だが、オーケー、最高の滑出しにしてやるよ」
「あ、そうだ。煉。」
そう言ってシンは煉に耳を貸せとジェスチャーすると煉がシンに寄る。
「オッケー、まあやって見る」
「じゃあ、行ってこい」
そう言うと、「行ってくる」と、煉は新しい高校生活の中での初陣の地へと足を踏み出した。
『さあ、始まりました。我が校一つ目の名物、《No.》です!!ここからは私!放送部部長、
実況者が自己紹介を済ませると会場が大いに湧いた。
実際、俺は負ける気がしない。多分俺の他の三人も勝つと思う。理由は無くはないが……またの機会としよう。
『それでは、第一回戦!!
二年生、
すると、両者扉から歩み出てきた。
「お、いよいよだな」
「大丈夫かなぁ」
「大丈夫ですよ。煉さんならやってくれます」
「見た感じすげー緊張してるけどな」
煉
「うはぁー、ヤベェ。めっちゃ緊張してきた。」
「やあ、赤谷煉くんだっけ?手加減はしないけど、やりすぎちゃったらごめんね」
「軽いなぁー、俺は緊張してんのに」
「それはすまなかったな。だが、緊張というバカみたいなことを言ってるんだったら集中したほうがいいんじゃないのかな?」
「ハッ。おかげさまでいつもの調子が戻ったかもな」
「こんなもので治るのか。案外しょぼいものだな」
「まあ、言っとけ」
と、強がっては見たものの(全く緊張ほぐれねぇぇぇ、どーしたらいいんだよこれ)
『それでは、参りましょう。第50回『No.』初戦、スタートですっ』
「じゃあ、始めよっか」
「あ、ああ」
すると、青間は剣を抜いた。
「水の精霊の加護より放たれし一閃、『アクアティアー』」
「っ!?」
ギィィン…
『おおっとー、青間選手の必殺の一撃を赤谷選手受け止めたぁぁっ!』
『今の受けはギリギリでしたが見事でしたね』
「ほう、今のを受け止めるか。なかなかだな」
「先制技で今のはちょっと強いんじゃないんですかね」
「この一撃で決めるつもりだったからな。だが、次は逃さん」
「ははは」
「水精霊よ、全てを飲み込む大いなる水の流れを生み出し敵を穿たん『ノア・レイピア』っ」
「炎の精霊よ、炎熱の焔を纏い主を守れ『フレイムスキュータム』」
青間海斗が自分の剣に水を纏わせたと同時に煉は業火の盾を作り出した。
「ほう。炎一級保護呪文か。よく出来ている、が、甘いっ!」
「うっっ、押される」
荒れ狂う蒸気の中から人が吹っ飛ばされた。
「ガハッ、ゲホッゲホッ、はぁ、終わりか」
「『ノア・レイピア』を真正面から受け止めたのは褒めてやろう。だが、威力が違いすぎるな」
「はははっ、ははっ、はははははは」
「何がおかしい。気が狂ったか、まあいい。これで終わりだ」
青間海斗が剣を構えながら歩いてくる。
そして、首に剣を当て試合終了……のはずだった。
「『
「なっ!?」
「いやぁ、これで終わりってよく分かったな。そうだよ」
そして、青間海斗の前に立った。そして剣を首に当て、
「俺の勝ちだよ」と、勝ちを宣言した。
『ななな、なんと、赤谷煉選手設置系の雷魔法で青間海斗を封じ込め勝利ぃっっ』
オオーーーーーーーッ、会場が盛大に湧いた。
「シン、やったぜ」とつぶやきながらシン達の方を向き拳を突き上げた。
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