第20話

朝、自分のディスクに着くと、ポストイットが張ってあった。


字で名前がなくても、すぐ誰かわかった。





「昼休み、時間があったら、資料庫で」





それだけ書かれていた。



渡がポストイットなんて珍しい、俺の真似かよ。



話は恐らく俺の退職の件だろう。一昨日部長に今月末で辞めたい旨話した。噂の広まるのが早いのが会社ってものだ。


しかし、やれやれ、何度やっても別れ話は慣れることはないなと、ため息をつきながら、しかし、今回はいつもの別れより自分の中でかなり大きなしこりになりそうだと感じていた。

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