約束がご破算になった次の日の事、どうやら今日、渡は西岡と飲みに行くらしい。

はっきり言って、面白くない、面白くない。

俺は自分が思った以上に嫉妬深かった事に、この恋で初めて気づく。

渡はいつも明るく、体育会系のスポーツマンといった感じで女子社員から結構人気があった。

まさか、西岡と何かあったりしないよな…。後ろ向きな妄想ばかりが進む。

二人が帰り際、社内で偶然すれ違う格好となった時、らしくない嫌みを軽く言った。渡は全然気に止めてない様子だったが…。

これだからノンケと付き合うって気疲れが絶えないんだ。

ピピピ、ピピピ、ピピピー。

携帯の着信音。液晶画面を見ると「実家」の文字が表示れていた。

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