第5話

ヤバいもの見ちゃったなぁ…。


さっきのあれはやっぱりそういう事だよな…。純名さんが、あの純名さんが、ゲイだったなんて。全然わからなかった。衝撃的すぎる。何か、意味もなく心臓がドキドキしていた。何だろうこのドキドキは。



でも、オフィス戻るの気まずいなぁ。



あー、もう嫌だ、今日も帰ってドラクエやろう!せっかく高いGを出して買った装備品が 次に行くダンジョンの最初の宝箱に入っているって事あるよね、これ、ドラクエあるある。



何て頭の中で現実逃避をしながら、一旦資料室へ戻り、西岡さんに頼まれてた書類を探す。年号、月日順に整理されてた書類はすぐ見つかった。そして、重い足を引きずりながら、6F のオフィスに戻った。



「西岡さん、これでいいっすか?」


「あ、ありがとう。高槻君。お礼にこれをしんぜよう、はい。」


「チロルチョコ?あざーす。」


やっぱ、西岡さんは話しやすいな、仕事しやすいし。この課に来て、西岡さんが隣でよかった。



何か、純名主任の方のディスク、見れないなぁ。何となく、斜め45度に背を向けてしまってたり。何か、背中に視線を感じる、気がする。。全神経が背中に集中して何か熱かった。



それに、泣いてたなーあの男の子。純名さんてプレイボーイなのかな。今日目撃してしまった、あんな大事件、色々考えてちゃうよなー、やっぱ。



でもその日、純名主任に何か呼び出されるかと思ったけど、これと言って何も言われなかった。



ま、お互い大人って事で、見なかったって事にして欲しいという事でしょう。うん、はい。





5時定時「キンコーン、カンコーン」


さて、帰りますか。席を立とうとしたその時、




「高槻!ちょっといいか?」





やっぱり、純名主任から声を掛けられた。



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