3
それから三日が過ぎた日。
その日も酷い戦だった。
仲間が新政府軍の近代的な武器の前に次々と倒れていく。
私はなんとか周りを説得して後衛にいた。
「その人にはこの薬をっ!」
「和紗さん! こっちもお願いします!!」
「はい!! 後は包帯を巻いてあげてください」
しかし、たとえ陣中に運ばれてきても、その時点で息を引き取る者もいる。
そしてその中には、つい今朝方にも笑顔で挨拶を交わした者もいた。
埋めてやるので精一杯で、誰が誰なんて分からない。
否、埋葬できるだけでもありがたい方だ。
そのまま味方にさえ捨て置かれる遺体を、私は何体も目にしてきた。
ずっと動き回りっぱなしで、手を休めることなど一秒たりとて惜しい。
……そろそろ自分の分の包帯も変えなければいけない時刻が迫っている。
けれど、私は動き続けた。
それでもやはり、身体はとっくに限界を迎えていた。
後ろにゆっくりと倒れ込むのが分かる。
開いていたはずの目は、いつの間にか閉じられていた。
「…………和紗さんっ!」
周りで私の名前を叫ぶ声が、消えゆく意識の中聞えてきた。
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