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□ □ □ □
「イギリスから取り寄せたフォートナム・メイソンの紅茶と、
「い、いただきます!」
ふわふわとしたブロンドの前髪から
私の真正面に座っている男の人――私達をお茶会に招待してくれたレオン様は“
千早様
歳は潮様とあまり変わらないそうだけど、ずっと年下に見える。でも、それを口にすることは絶対のタブーであるらしい。これは別の人から教えてもらった。
でもまぁ、そんなこと。
美味しいものを目の前にした私にとって、じきに
だってさ、ほんと美味しいんだってば。紅茶の美味しさっていうのはまだあんまり分からないけど、お菓子が美味しいっていうのはすっごく分かる。
そういえば、この前、潮様にも
「……プッ。君ってば、本当に頭の中は食欲しかないみたいだね。
「ん? へへっ。おとくでしょー?」
嫌味なら通じないよ? だって、薫くんやあの栄太とかいうお兄さんで慣れてるもの。あと、千早様もか。
東のお屋敷で料理のメニューを
今日も元気に誰かに
薫くん、本当は優しいのに、あの口のせいでとっても
「見つけた! レオン様、
怖い顔をした奏様が
丁度私が見えない位置にいたのか、はたまた怒りでレオン様以外の周りが見えていなかったのか、奏様は
「ちょっと、僕達もいるんだけど」
「貴方はこの光景、
「なにその態度の差。僕、一応、神なんですけど」
「生まれてから千と少ししか経っていない童神のくせに。そういうのは私より早く生まれるか、私より力をつけるかして言いなさい」
「そんなの、どっちも無理でしょ」
千早様はぶすっと
そっかー、千年ってそんなに短い間のことだったんだー。確かに生まれて間もない……ってそんなわけないよ! 十分なくらい、おじいちゃん!
「年寄扱いするのはやめてくれる?」
「ごめんなさい」
ひえっ。
「まぁまぁ。二人とも、
「……潮様がそうおっしゃるのなら。紫苑様のお菓子も
「僕も別にかまわないよ。ティータイムの
「……報告書は後で頂きますからね?」
奏様が着ている白衣の
一人でに動くティーポットとティーカップにソーサー達。
他の三人は当たり前のようにしているけど、これってすっごく便利だと思う。
「……フゥ。美味しい」
「そう。良かった」
ただ黙ってそこにいるだけなら目の保養になる人ってやっぱりいるんだなぁって思う存在が今まで限られていたのが、ココに来てぞろぞろいることに若干の恐怖と不公平さを覚えるんですが。
まぁ、その分クセが強い強い。
綾芽の
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