第7話

 今夜の彼氏との電話。



「読んだよ」


「どうだった?」


「なんていうか、怖い」


「え?」


「怒り全開になっている」




 この文章の、第6話のことである。




「そんなに?」


「うん」


「おさえて書いたつもりだったのに」


「ごめんそう思えなかった」




「私には才能がないのはわかっている」


 そう言ってくどくどとこれまで上手くいかなかったこと、いかに才能がないかを話した。




「怒っていたら人は怖いよ。なんか責められているみたいで辛い」


「ごめんね」




 まただ。いつの間にか頭の中の炎が大炎上していた。だから私はダメなのだ。


「怒り方を勉強しなくちゃダメかもね」


 と、私。


「そうかもね」




「才能がないと言って諦めないこと。いつもここで投げてしまうのが君の悪い癖だよ。才能がないなら何百回もがんばること。そうして認められた一回は凄く価値あるものだと思うな」




 うむ、と落ち込んだ。


 イライラは、まだ、ある。


 あえて書いた。


 私は、感情のコントロールが苦手なのだ。


 才能がなくても、書く。


 いつか、誰かがこの文章を読んで役に立てる、そんなことが起きるかもしれない。


 それは私が死んだ後かもしれない。


 それでもその時が、私にとっての貴重な一回なのだ。




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