第6話

 頭に血がのぼると、興奮から開放されても、頭痛でガンガンする時がある。


 今のテンションは最悪から少し抜け出したところ。




 今朝は家事をする暇もなく外出した。


 ハローワークに行って、雇用保険について相談した。


 ため息をしそうな重苦しい表情で職員が言ったこと、私も驚いた。


 前に通っていた福祉事業所が閉鎖したらしい。


 本当だったのか。


 元同僚からメールをもらい、しかし障害の影響でよくわからない文章になり、仕事がなくなったことだけは理解できていた。


 帰り道、その元同僚からメールがきた。私はメールではなく電話をかけることにした。


 その人は書くよりも話す方が得意な人である。




「事業所が閉鎖したって本当?」


「うん、大変なんだよね。ハローワークで仕事を探すよ」


「なんで閉鎖したかわかる?」


「なんか、審査に落ちたらしい」


「それで閉鎖?」


「そう。今は有給」




 有給休暇が終わればあとは放っておかれるようだ。


 他人のことだけれど、腹かたった。


 要するに、福祉事業所を経営する会社が法を破り、事業所も含めて経営停止になった。


 有給休暇が終われば、何の支援もなしに皆放り出される。


 障害者が働く所を探すのがどんなに大変か。また、働こうという気持ちを持つのにどれだけ精神力を必用とするか。


 せっかく支援者を得たのに、希望の光を失った。


 会社はもっと責任を持つべきだ、国は障害者を弱者としていることに気づきもっと配慮すべきだ。


 はらわたにえくりかえる。


 そんなことを思い帰宅すると、本日追加された予定をカレンダーとスケジュール帳に書く仕事が待っていた。


 苛立ったせいか、頭が上手く動かない。どの予定が、何月何日か、頭を抱えながら書き込む。


 スケジュール管理というものに全く頭がついてこない。


 「大丈夫」と母が言ったけれど、何か抜け落ちている気がしてならない。


 人のことより、まず自分。


 わかっている、思い知った。けれど、社会の不理解に憤る。


 だから書かずにいられないのだ。


 体調の続く限り、文章を書いていこう。


 しかし、明日は、もっと平常心でいたい。


 それが、自分の為だから。


 

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