第3話
スマホで文章を書き始める。
落ち込んでいるかハイテンションである証拠だ。
病院通いをするほどの精神不安定な私である。
この前、病院の心理士に六時に起きたいと言ったら七時に起きて慣れるように教えられた。
今朝の起床は七時。上手くいったので調子に乗っている。
掃除機をかけ、朝食の後片づけをした。できれば近々朝食も作りたいものだ。
と、書いている時に視線を感じる。机の下からじっと私を見ている。
猫だ。時々近くにやってくる。そしてよく私を引っ掻く。手のひらは表も裏も傷だらけになる。決して自らそうしようとして傷を作るのではない。猫が悪い。しかし、可愛い。
部屋が汚い。掃除機はかけたけれど、本と買い物袋と服が溢れ、どうも格好がつかない。一々片づければ楽なはずだが、どうしてか面倒くさがる精神が働く。
四月までに大掃除だ。きっとまた泥棒が荒らした後みたいに荷物で床が一杯になる。
いっそ、断捨離して物を大量処分するか。
恋人の独り暮らし、実家のリフォームと、大掃除をすべきタイミングではある。
物を捨てられないのは悪い癖だ。
生活そのものの変化を前にして、変えなくてはいけない、勇気を出さなければ。
猫が部屋を出ていく。気まぐれだ。私は人間であるから、そうはいくもんか。
早起きと朝食作りと大掃除と。あとは身なりも整えなくては。前髪が伸びた。
「美容室に行ったら」
母の言葉に頷く。
シャワーやシャンプーのないお値段お手頃な美容室だ。
これからシャワーをし、美容室へ向かう。
まず髪を断捨離しようか。
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