軍隊時代9

私は喧嘩したあの日から会話どころか目さえ合わせなかった。自分でも大人気ないことぐらいわかっている。でも朔夜兄さんと私を否定されたようで嫌だったのだ。なので今回はこちらから折れるようなことは絶対にしないだろう。

「朔夜兄さん、私久しぶりに一人の部屋で寝 てる気がする。やっぱり楓にたくさん支え られてたんだな・・・」

独り言のようにそう呟くと更に現実を突きつけられた気がした。そして私は寂しさを紛らわせるように朔夜兄さんにオススメされた中でも一番好きな歌を歌い始めた。

「あなたが消えて一体どのくらいの時が経っ たのかな~♪私は未だにあなた以外を認め ることが出来なくてそんな中更に自分すら も見失ってくの~♪でも私は誰にも心配を かけたくないから偽りの自分を作り上げて 今はもう別人なの~♪」

私はそこで歌うのを止めた。本当はこの後主人公は旅に出て九人の掛け替えのない仲間と出会い最後には心からの笑顔を見せるという感じの歌詞が繋がる。

「私も旅に出ようかな」

「それは駄目たぞ」

「っ!?龍さんか・・・。驚くから急に話し かけてこないでよね。本当に心臓止まるか 思ったよ」

「思い出に浸ってるところ悪いが出撃だ」

「分かった。すぐ準備するね」

私がそう返事すると龍さんは足早に出て行った。

「どうしたんだろう?。龍さんが珍しく焦っ てた。まぁそれだけ大変なことが起こって るてことだよね」

私は着替え終わり鏡の前でピアスを付けた。そして

「朔夜兄さん今日も皆を守ってね!それじゃ あ行ってきます」

と言って部屋を出た。龍さんのいる場所まで行き話しかけた。

「龍さん準備できたよ」

「それじゃあ出発だ。あっ雪は今回もS部隊 だからな」

こうして私達は運命の戦場へと向かった。

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