軍隊時代8
私は気付くと謎の花畑にいた。そして目の前には
「あのな俺、雪に伝え忘れたことがあったん だ」
私の大好きな朔夜兄さんがいた。
「何を伝え忘れたの朔夜兄さん?」
しかし急に辺りは火に包まれ火の海となった。
「俺はお前のことを恨んでるよ。だから一生 俺のことを想って悲しんで」
私は朔夜兄さんにそう言われた瞬間目が覚めた。そして起き上がりカレンダーを見た。
「あぁ、そうか今日は朔夜兄さんの24回目 の誕生日か・・・」
「ねぇ、雪いつも俺言ってるでしょ一人で泣 かないでって」
急に後ろから声をかけられ驚いて振り返るとそこには楓が立っていた。私は楓に指摘され初めて自分が涙を流してることに気付いた。
「無意識のうちに泣いてただけだから大丈夫 だよ。心配しないで楓」
私がそう言うと楓は怒った顔をして
「無意識に泣いてしまうほど悲しいってこと でしょ雪。自分の傷付いた心から目を背け たって何もかわらないよ」
と言った。
「本当に大丈夫だから楓。私は、私はもう朔 夜兄さんのことで泣いてないよ」
「じゃあもう朔夜さんの思い出の品全て捨て てもいいよね?」
「それはダメ!!やめて私から朔夜兄さんの 思い出を取らないで・・・」
「朔夜さんはもう死んでるんだ。もう雪も忘 れなよ。もうあの人に苦しめられる必要は ないよ雪」
俺はパチンと雪に頬を叩かれた。そしてこう怒鳴られた。
「ふざけるな!!!私は朔夜兄さんに苦しめ られて何かないし思い出に縛られてもいな い。楓に一体何が分かるんだよ。私は今、 楓の顔を見たくないから出て行く。しばら くの間私に必要以上に話しかけてくるな」雪はバタンと扉を閉めておそらくもう一つの自分の部屋へと出て行ってしまった。いきなり
「雪ってキレるんだね」
と言いながら朔夜兄さんが壁から出てきた。「朔夜兄さんも見たことないの雪がキレたと ころ?」
「あぁ、俺も初めて見たあんなに本当にキレ たところ」
「えっ、じゃあ俺まずいことしちゃったか な?」
「多分そうだろうな」
「えぇー、兄さんのせいで俺とんだとばっち りなんだけど」
「まぁ、俺がそんだけ雪に愛されてるってこ とだから」
「うるさいよ幽霊兄さん、死人に口無し!も う黙ってて。後愛されてるじゃなくて愛さ れてただから」
「ひっどいよ実のお兄ちゃんに向かって何て
こと言うんだよ楓。俺も本当に怒るぞ」
「あははは、やっぱり兄さんは死んでも兄さ んなんだね」
「当たり前だろ?俺は来世でも俺だから心配 するなよ楓」
「兄さん俺、雪に話しかけるなって言われた んだけどやっぱり謝りたいんだ。どうすれ ばいいかな?」
「雪は怒りが冷めるまで話もしてくれない し、目も合わせてくれないから少しの間 そっとしといてあげた方がいいよ」
「分かった。今回のことは俺も言い過ぎたか ら次回からはあんな風に言わないように頭
冷やすよ」
「それが一番賢明な判断だろうな。それじゃ あ俺はそろそろ消えるな」
「いろいろありがとう兄さんまた今度ね。バ イバイ」
朔夜兄さんは手を振りながら壁の中へと入って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます