軍隊時代6

あの日から数日たったある日の夜楓がとあるお願いをしてきた。

「ねぇ、雪さん俺あなたが能力使ってるとこ ろ見てみたいな」

「いいよ。少し待ってね」

私は朔夜兄さんのブレスレットを付けた。

「水よ我が命を受け我が手に集まりたまえ」

少しだけ水を掌に集めて楓の方を見た。

「雪さんってやっぱり凄いね。俺も雪さんみ たいに能力をコントロールできるようにな りたいな。あれ?でも雪さんは火の能力者 じゃなかった」

「メインの能力は火だよ。だけど基本全ての

 属性の能力を使えるんから私の大事な 

 人・・・朔夜兄さんのメインの能力である 水を使ってるんだ。水の能力を使ってる時 だけは兄さんを感じることができるから  ね・・・」

「俺は雪さんの前から消えたりしないから安 心してね」

「約束だよ。それじゃあもう遅いし寝よっ  か。おやすみ楓」

「おやすみ雪さん」

こうして私達は眠りについた。次の日私はチュンチュンと雀が鳴く声で目を覚ました。

「ふぁー、まだ眠たいな」

目をこすりながら起きあがると扉をノックされた。

「おはよう雪、ちょっと話があるんだが」

「おはよう龍さん寝起きだからそこで要件  言ってくれる?」

「明日、パレードあるから準備しとけよ」

「分かった。ありがとう」

「それじゃあ早く起きろよ」

龍さんが去っていったので私はもう一度眠りについた。

「雪さんパレードの準備しなきゃ駄目だよ」

私が次に目を覚ましたのは次の日の朝だった。

「大変だ。楓そこの服とって」

「これだよね。はい、どうぞ」

「ありがとう」

高速で着替えたので何とかパレードの時間には間に合った。

「それじゃあ行ってくるね楓」

「行ってらっしゃい雪さん!あっ、後雪さん は雪さんだから自分を見失わないでね」

私は部屋を出て龍さんに言われた場所に移動した。

「龍さん準備出来たよ」

「ちょっと遅刻だぞ雪!」

「ごめん、ごめん次から気を付けるから許し て」

「次は無いからな。それじゃあ出発だ」

私達はパレードを始めた。だが私はすぐにたくさんの人から声をかけられた。

「雪さんだ!かっこいいな」

「雪さんありがとう」

「これからもこの国を守ってね雪さん」

危うく自分で自分を見失いそうになったが楓がくれた言葉のお陰で何とか最後まで乗り切ることができた。

「ただいま楓」

私は部屋に戻り楓をギューッと抱きしめた。

「楓のお陰で自分を見失わずに済んだよあり がとう」

「雪さん無理して笑わなくてもいいんだよ」

「でも楓はそんな私なんて求めてないだろ?

 きっと見たら幻滅しちゃうよ・・・」

「一人で後で声を殺して泣くぐらいなら俺の 目の前で泣いてね。じゃないと俺慰めてあ げることも出来ないからね。後俺はどんな 雪さんでも知りたいよ」

「ありがとう楓・・・。朔夜兄さん会いたい よ」

私は泣いた。今までためていたものを全て流すように・・・。

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