軍隊時代3

「炎よ我が命を受け奴らを焼き尽くせ」

私は炎を操り敵をどんどん倒していった。だがやはり相手の人数が多すぎて味方が次々に力尽きてしまった。

「龍さんこれ以上は無理だよ。皆、限界がき てる」

「あぁ、とりあえずお前はここに残って敵の

 足止めをしろ。まだ力残ってるだろ」

「それはいいけど・・・。どれ使うの?」

「一番強いやつを使え」

「あれはここじゃ使えない。だって味方も巻 き込んじゃう」

「あそこは敵しかいないから大丈夫だ」

「でも・・・」

「お前は味方を見捨てるのか?何のためにそ の強いストーンを渡してると思ってるん  だ」

「・・・分かった。それじゃあ10秒数える からその間に瞬間移動で離れて」

「無茶なことを言ってすまない」

そう言って龍さんは仲間達と共に消えていった。

「10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・0」

私は十秒を数え終わり大きく息を吸い込み体の中心に力を集めた。

「炎よ我が命を受け我らの邪魔をするものを 全て焼き尽くせ」

大きい爆発音と共に辺りは火の海となった。しばらく眺めていると龍さんから無線が入った。

「どうしたの龍さん?」

「お前、朔夜に会わなかったか?」

私はその言葉を聞いてとても嫌な予感がした。

「会ってないけどそれがどうしたの?」

「朔夜、その時丁度お前のことを探していて 近くにいたらしい」

「少し帰るの遅くなる」

私は龍さんの返事も聞かず朔夜兄さんを探し始めた。

「朔夜兄さんいたら返事して。兄さん、兄さ ん一体どこにいるの?今、出てきたら一つ

 お願い聞いてあげるよ。ねぇ、兄さんは私 をからかってるだけだよね」

らちがあかないので私は能力を使うことにした。

「炎よ我が命を受け朔夜兄さんを探し出せ」

たくさんの火の玉を作り辺りに放った。するとすぐに火の玉が朔夜兄さんがいつも身に付けていたブレスレットと今日渡したピアスを見つけた。私はその場所の辺りをたくさん探しまわった。たが朔夜兄さんの姿はなかった。

「ねぇ、どこ?兄さんはどこにいるの?嘘で しょ・・・」

私は朔夜兄さんのブレスレットとピアスを握りしめ泣き崩れた。だが世界は私が泣くことも許してくれないようですぐに敵軍の軍人がやってきた。

「おい、あそこに敵軍の軍人がいるぞ。弱っ ているようだ殺せ」

私はもしかしてこいつらが朔夜兄さんを殺したのじゃないかと考えた。

「お前らが朔夜兄さんを殺したのか?」

そう聞くと敵軍の軍人はこう答えた。

「たくさんの人間を殺したんだからいちいち そんなの覚えてねぇよ。うるせぇ女だな」

ブチっという何かが切れるような音がした。

「許さない、許さない、許さない。絶対に貴 様らを後悔させてやる」

私はそう言って能力を全て解放させ使った。だが慣れていなかったので能力が暴走し辺りは焼け野原になった。そして私も能力をほぼ全て使い切り倒れてしまった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る