貪欲ラベンダー

大阪の駒川商店街にて買った、ラベンダー一鉢135円。

そろそろハーブ系に手を出そうかと思ったのだが、売り手の女性があまり若い客が来ないせいだろう、妙に力のこもった「毎度ありー」だった。

緊張で手がぶるぶる震えていたな。


こちらではあまり若い女性が植物を育てる習慣がないらしい。


さて、その後育てていたが、どうにも水のヘリは早いし、いつでも気が付いたら霧吹きで水をやっているが、切り取っても切り取ってもまるで枯れる様子がない。


今もペットボトルの花瓶の中、ラベンダーがにょきっと咲いている。


最近、28になった。

するとだ。周りからやいのやいの言われる。

私は受け流しながら、「結婚なんか、死んでもしません」と言っておいた。

一人身で身軽に飲み屋通いでも始めたいのに、お荷物なんて持ってられません。

老々介護なんてことになったら悲惨である。


こうして刑務所の生活の如く、節制して鍛えて老後に備える日々がどれだけ大切なことであるか、世間よ、忘れていませんか??


その時になれば、如何にこの時間も無駄ではなかったと思い知るはずである。

それから、誰かと悪口を言いあう習慣も持ちたくはない。

それは理想とは程遠い。

それなら発散したいときに服でも買いに行ってお洒落して過ごしていたい。

老後は一週間に二度、頭を洗ってもらいに美容室に通うのだ。

そのためにも髪を伸ばす。

安心して過ごせるよう、よく歩いて明るくし、髪は染めずに総白髪で行く。

言いたいことがあれば、ここに書く。


何もできずとも、何もかもが手に入る空間を、事実手にしているではないか。


さあ、生きようか。


楽しい事ごまんとあるよ。美味しい物もごまんとある。


とにもかくにも、前へ前へ。


その日まで、どうか枯れずにいておくれ。

私はそう、ラベンダーに水を掛けた。

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