水溜まりの春

北国の春をご存知だろうか。桜が咲いたら?新緑が芽吹いたら?雪が溶けたら?全部違います。そちらの条件を満たすのは初夏になります。雪融けに関しては8月まで残ってる所は残ってます。それは夏です。


では何をもってして春と呼ぶのか。

水溜まりです。地面に水溜まりができはじめたら、それは春の訪れを意味します。ちなみにあくまで個人的な見解になります。


なんたって旭川、日本でも屈指の寒い街。年間平均気温約7度。真夏には30度になることもあるのに、平均7度。亜寒帯は伊達じゃない。

ましてや三月、四月の気温についてはお察し下さい。寒い。情け容赦無く寒い。

ですが、それでもやはり四月は春の訪れを感じるのです。


日中の気温が緩み、徐々にアイスバーンで覆われてた道路が見えてくる。つららが溶けて水滴が滴り、露出したアスファルトに水溜まりができ始めると、厳しく辛く鼻と耳が痛い冬は終わりを迎える準備を始めてるんだと感じる。

暖かい地域の春と比べれば彩りも華やかさも欠ける春の始まりかもしれないが、それでも春は春。桜が無くともウグイスが鳴かずとも、少しずつ季節は進んでいる。


ちなみに北海道では雪解けがある程度進んでから吹雪がきて一気に冬に逆戻り、なんてこともよくある。きっともうぼちぼち最後の吹雪がくるんだろうね、やだやだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫、酒、仕事 アラボッチ @kabot

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ