第8話 妹と魔法封印
そんな、こんなで一ヶ月。ようやく、身動き程度は出来るようになりました。この一ヶ月何をしたかと言うと、何もできませんでした。と言うのも、前世の知識で魔法少女を目指した3週間前・・
今世の知識と、前世の知識を比較して新しいスキルが手に入るのなら、今世の魔法現象と、前世の物理現象を比較すれば、魔法スキルが手に入るのでは? 再び、私の中の「検証の伝道師」が目を覚まします。
まず、この部屋の照明器具を解析してみましょう。あの照明が魔道具であるのなら、鑑定により何らかの情報が得られるはずです。
そこで、ふと思います。「照明」ってなに?「明かり」「灯り」って何?火?電気?そもそも、前世での光の定義が解りません。「図書館の魔女」の敗北でしょうか。
光といえば、太陽ですか。太陽光発電?布団の虫干し?
(スキル「聖魔法」が発現しました)
解りません。照明器具を鑑定すれば何か解るかも知れませんが、眠るにはまだ早い時間です。鑑定で気を失えば、4時間は目を覚ましません。照明器具は、食事の後に鑑定してみましょう。
今はまず、ファンタジーの定番である、魔法の4大属性から考証してみましょう。「火」「水」「風」「土」の各魔法属性です。「火」は危険ですし、「土」は室内では無理があります。「水」か「風」ですが、水浸しにはなりたくないので「風」で考察してみましょう。
「風」は空気の流れですので、温かい空気が冷たい空気に流れて、風ができます。
あれ?空気を温めるために、「火魔法」が必要ですか?冷やすのに「水魔法」?4大属性自体が間違い?
「火魔法」は、燃焼する為の魔法?熱を制御する為の魔法?
(スキル「基本魔法」が発現しました)
考えが、まとまりません。ここは、単純に考えましょう。
つまり、右手に熱をもたせ左手は冷やす。そうすれば、左右の手の間に風が・・
あんっ? この感覚?風が・・
『ピィー!ピィー!非常事態!非常事態!』 ひっ!
『ピィー!ピィー!非常事態!不明魔力反応観測!』
『ピィー!ピィー!』 何?何?何?
ドォオォーン!!轟音と共に部屋のドアが吹き飛んだ。精確には、部屋ごと吹き飛んだ。私も吹き飛ばされたかと思ったが、筋肉に抱きかかえられていた。ゴリラ・・いえ、お父様だ。お父様が、部屋を吹き飛ばしながら進入してきたのだ。
「無事か~!!サクラ~!!」
実の父に、殺されるところでした。
どうやら私の魔法を、この家の防犯システムが敵性と判断して、警報を鳴らしたらしい。
その後、どや顔のお父様のみぞおちに、お母様の正拳突きが炸裂しました。筋肉の悲鳴を聞いたようなきがします。
「「ぶちぶちっ!切れてる切れてる!ぶちぶちぶちっ!3番切れてるよっ!!」」
筋肉の声?
いえ、気のせいです。きっと、気のせいです。
こんな防犯システムがあるとは、この世界の文化水準をバカにしていました。その後、防犯システムのログから私が魔法を使った事が判明、事故防止のため私の腕に魔法封印の魔道具が巻かれました。
名称:魔法封印のミサンガ「封印君 幼児用」
用途:Lv1の魔法を封印して使用できなくする。
使用上の注意 ・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
鑑定はLv2だったのでこの後、私は深い眠りにつきました。
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