4-3 「アリーの記憶」
4‐3 「アリーの記憶」
私は見覚えのある部屋にいた。
清潔そうな水色のシーツがしかれたベッド。
映画や音楽のソフトが本棚にギッチリと詰め込まれ、大好きだったヘルメットを被った猫のぬいぐるみが木製キャビネット上で得意げな顔を浮かべている。
間違いない。
ここは私がかつて生活を送っていた部屋。
私は夢をみているのだろうか……掘り返されたタイムカプセルのように過去の映像を頭の中で再生して、遠くで見守っているのだろうか? それとも……
「ただいまぁーッ! 」
下の方から壁に穴が空くかと思うほどの高くて大きな声が聞こえてきた。そういえば私の部屋は二階だったっけ。
ドスドスドスと上品とは言い難い足音が徐々に迫り、ついにその足音の持ち主がドアを開いてこの部屋に入り込んだ。
「くそったれ! 」
悪態をつきながらショルダーバックをベットに投げつけたその女の子は金髪をなびかせながら自分自身も跳躍し、寝床にボディプレスを見舞った。
その姿を見て私は懐かしさで胸がときめいた。あの子は紛れもなく私。10歳の頃のアリーだ。
言葉使いが汚くてじっとすることが出来ない子供だった。今こうやって客観的に見ると他人のように思える。
「あああああ! 」
言葉にならない雄叫びを上げながら彼女は着ていた黒いパーカーを脱いで床にたたきつけた。露わになった肘には大きな絆創膏が貼られている。 この頃、私は友達の男子と一緒にパルクールの真似事をしてたっけ? 今思い出すと恥ずかしい記憶だな……
「コンコン」
開けっ放しになったドアをノックする音がして、誰かが部屋の中に入ってきた。
私はその人の姿を見た瞬間、決壊したダムのように、半ば強制的な反応で涙が頬を伝った。
「あなた、またスクールで揉め事起こしたんだって? 」
気だるそうな印象を植え付けるタレ目。だらしなくアップに纏めた金色の髪。
私のママだった。
「もう知ってんだ」
「さっき先生から連絡あったから。男子の股間に野球の球をぶつけたとか? 」
「私にスケベなちょっかいを出してくるキモ野郎だったから今の内にグサっと釘をさしておいただけ」
「はぁ……あなたは一体誰に似たの? ママもパパもケンカなんかしたことないのに……」
「似なくて感謝するよ。晴れて停学。しばらく学校休めるから」
「……へー、その割にイライラしてたみたいだけど? ひょっとしてボーイフレンドにあえないから? 」
「うるさい! 」
ママはベッドに突っ伏した13歳の私の髪に優しく手櫛をかけた。まるで丸くなって寝ている猫にちょっかいを出すように。
「やっぱりそうなんだ。その子を大事にしなさい」
「やめてって! 違うって! そんなんじゃないって! 」
ママは娘の反応が面白かったのか突然大声で笑い出した。
ママはよく笑う人だった。他人の喜びを自分の事のように笑って笑顔を振りまく太陽のような人だった。
私はそんなママの事が大好きだった。
「隠さなくていいのになぁ」
10歳の私はママにベッドの上で抱きしめられた。
「ちょっ! 何すんの? 」
「あなた、同じクラスのいじめられっ子を助けたんでしょ? さっきその男の子から電話があったの」
小さな私はママの腕の中で顔を真っ赤に染めた。
「アイツ、黙ってろって言ったのに」
私は思い出した。
ナヨナヨとしたマニアっぽい男子がいじめっ子にちょっかい出されていた事を。
そのいじめっ子は体ばっかりでかいだけのボンクラで、気の弱そうなカモを見つけては取り巻きを引き連れてからかったり、物を隠したり、バスケットボールをぶつけたり、男の癖に陰湿なことばっかりやってて……そのうち頭にきちゃって、そばにいた野球少年からボールを奪って急所にズバっとストライクさせたんだった。
「あのマニア野郎、いかにも文系って感じで……なんかパパにそっくりだったから見ててほっとけなかったんだよ」
「男の趣味まで私にそっくりとはね」
「違うって! いいかげんにしろよ! 」
小さな私はママのホールドを振り解いてベッドから離れた。その顔には迷惑そうではあるけど、どこかむずかゆい感じの笑顔も混じっていた。
「ちょっと出かけてくる」
「どっか行くの? デート? 」
「残念、ちょっと図書館に行くだけ! 反省文を書かなきゃいけないから。イマドキ紙に手書きでだよ! 信じられない! 」
いそいそと筆記用具をポーチに入れる娘の姿を見てママがにやつく。
「助けた男子と待ち合わせてるんだね、図書館で」
「いい加減にしろ! 」
ママは頬を染めながら部屋を飛び出る小さな私を大笑いで見送る。
この光景。このやり取り。全てが懐かしかった。こんな日がずっと続くと思った。私は幽霊になった気分で歩き、そっとママの隣に座ってみた。
優しい中に逞しさを感じさせる横顔、こみ上げる感情を押さえきれずに私はママを後ろから抱きしめようとした。
でも、私の手はママの体を通り抜けてその体温を感じることが出来ず、悔しさで涙が溢れてしまった。
その時私はふっと思い出した。
そうだ。何故気がつかなかったんだろう。この光景は私がママの姿を見た[最後の日]だった事に。
私はいてもたってもいられなくなり、図書館に向かって走っていく過去の私の背中を追った。
『行かないで! 』
10歳の私は、ドンドン階段を降りて玄関へと向かっていく。ダメ! ダメなの! その先に行っては! その先で鉢合わせる人に合っては! 私の願いは空しく、彼女は玄関のドアノブに手を伸ばす。
『だめえええええっ! それに触らないでええええっ! こっちに来て! 戻って来て! 』
思わず私は叫んだ。喉から血が出るかと思うほどに絶叫し、幼き頃の私に向かって警告した。
でも、10歳の私は無邪気にそのノブを捻り、禁断の扉を開放してしまった。
「やあ、お出かけかい? 」
ドアを開いたその先には[あの男]が待ちかまえていたように直立していた。
「パパ……」
[あの男]……私のパパの[ような人]……
『やめてえええええ! 』
その瞬間、目の前が真っ白になり、気が遠くなる……
私はその日。パパと顔を合わせた瞬間に世界が歪んでしまったのだ。
そして何故か、私はパパの顔をどうやっても思い出せずにいる……。
記憶に残っているパパの顔は……どういうワケか、いつもボヤけていたから……。
■ ■ ■ ■ ■
「……おい……」
「……リー……」
「アリー! 」
アリー・ムーンが目を覚ました時、目の前には彼女をよく知る男の顔がひどく心配そうな表情で見下ろしていた。
「アリー? 」
「副……隊長……? 」
そこにいたのはビル・ブラッド副隊長だった。「どこか痛むのか? 」
ビルの声を聞いて少し冷静になったアリーは今置かれた状況を確認する。
清潔感溢れる真っ白な壁。体を包み込む布の感触。そう、ここは病院だ。
BMEとの死闘で足首の怪我と腕と背中に負った軽い火傷。そして……ジーツとの隔離の為に、ここ【第一居住区】の病院の個室にて、療養していたことをアリーは思い出す。
「いえ、大丈夫です……ちょっと悪い夢を見て……」
そういいながら彼女はふと頭を撫でると、帽子を被っていないことに気がつき、急いでベッド横に置かれたワッチキャップで頭を包みこむ。
「体の調子が悪いと悪夢を見やすいらしい。僕もそうだった……少し疲れているんだろう」
そんな慌てた様子のアリーを見ても、ビルは特に気にすることなく受け流した。
アリーは頭の傷跡について誰にも詳しいことは話したことは無かったが、クジャク部隊にいた仲間達はそれに気付いていながら追求する者は誰一人いなかった。
何故なら部隊にいたメンバーのほとんどはアリーを含め、10年前に【カーネル】によって破壊された【アースバウンド一号鑑】の出身者だったからだ。
全員が何らかの傷を心と体に負っていたからお互いにその痛みをほじくり返すようなことは絶対にしなかった。
「いえ……大丈夫です」
「無理はするな」
ビルはそう言ってキャビネットからタオルを取り出して彼女に渡した。タオルを受け取ったアリーはその時初めて全身が汗まみれになっていることに気がついた。
「ノックもせずに入って悪かった。そうする前に君の声が聞こえたものだから」
「え? ……そんなに大声を出してたんですか……」
嫌な夢を見たとはいえ、盛大な寝言を聞かれてしまったことに恥ずかしくなるアリー。顔が赤くなっていくことが自分でも分かるほどだった。
「よっぽ悪い夢を見ていたんだな」
「……ええ。昔の頃の夢をちょっと……」
「そうか……」
そう一言呟いたビルはキャビネット上に置かれた水差しを手に取り、コップに水を注いでアリーに手渡した。
「ありがとうございます」
アリーが水を飲んで喉を潤すと、ビルはそのまま会話を途切れさせ、何やら落ち着かない様子で窓の外を眺め始める。そして数秒の沈黙が続いた。
現在艦内時間午後5時30分。病室の窓からは【第一居住区】の賑やかで水面に煌めく光のような街並みが見下ろせた。
仕事を終えた人々は充実した疲労の表情を浮かべ、夕日を思わせる艦内照明に照らされている。その光景が今日という一日の締めくくりを絵画のように演出している。
「アリー」
決心したかのように彼女の名を呼ぶビル。それと同時にカーテンを閉めて外界を遮断する。
「何でしょう? 」
ビルは病室の脇に置かれた丸形の簡素なパイプ椅子をベッド横に滑らせ、それにゆっくりと座り、二人の視線の高さを同じにする。
その時初めてアリーはビルが着ているジャケットの色が、クジャク部隊象徴の黒色ではなく、濃いグリーンに変わっていることに気がついた。
「今の君にはつらいことだけど、伝えなくちゃならないことがある。今日はその為にここに来たんだ」
悪い予感が彼女によぎった。
「副隊長……それって」
ビルが口を開くより先にアリーが問いかけた。
「……なくなるってことですか? クジャク部隊……」
その言葉にビルは一瞬驚きの表情を見せ、それに答えた。
「ああ、その通りだ」
言いよどむビルの姿を見てアリーは何となく察していた。それは彼の服装を見てある程度予想がつくことだったからだ。
クジャク部隊はここ最近だけで、地上での任務に失敗して隊員の半数を失う失態。さらにトップの人間のスキャンダルと失踪。BMEの襲撃を阻止したとはいえ、あまりにも問題が多すぎた。
「地上への遠征は? 【カーネル】や【コブラ】の調査はどうなるんですか? 」
「一応護衛隊がその任務を担うという体裁だ。しかし、BMEの一件から【コブラ】を迎え撃つことにあまり乗り気ではない今の流れでは、当分地上遠征は行われることはないだろう」
「そんな……」
今まで自分たちがやっていた事を全て否定するような対応に、アリーは悔しさを隠せなかった。キャロルを始め、地上で散ってしまった仲間達の事を思うとやるせない気持ちになった。
「君も気がついてはいるだろうけど、僕が今着ているのは護衛隊の制服だ。君も着る事になる」
アリーは愛着のあるクジャク部隊から、憎きラーズ元大佐の所属していた護衛隊へと移隊することにはやはり抵抗があり、すんなりとその現実を受け入れることは出来なかった。
「そうだ! ジーツ君は? あの能力はどうなるの? 」
ビルは苦い表情を作り、説明した。
「今日ドクターが【中央評議堂】でジーツ君の【グレムリン効果】について発表を行った。僕も控え室でモニター越しにその様子を観ていたんだけど……バディ元首はこう言って結論したよ。ジーツは[クラブの2]だ、ハッキリ言って現状では【コブラ】の対抗戦力としては心許ないと」
「え……どういうことなんですか? 」
ビルは胸ポケットから一枚のカードを取り出し、アリーに手渡す。
「トランプ? 」
「そう、元首に渡されたんだ。トランプにおける最弱のカード[クラブの2]だ。大抵のゲームではほとんど役に立たない。でも時と場合によっては最強のカードである[スペードのA]に勝つこともある」
その説明でアリーはなんとなく元首が言いたいことが理解できた。一瞬で機械を使い物にならなくしてしまうジーツの能力は魅力的ではあるが、その発動タイミングの特殊さと効果範囲の狭さは使いどころが難しい。
それにジーツ本人は【グレムリン効果】を除けば単なる平凡な少年なのだ。BMEの時のように、多くのサポートがあって初めて戦力になるという使い勝手の悪さも無視できない。
「もちろん【グレムリン効果】を無用と判断したワケじゃない。その能力を人工的に再現できるよう、ドクター・オーヤが中心となって研究が進められる予定だ」
アリーは【コブラ】に対抗出来る力が使い物にならないと判断された事を残念に思う気持ちもあったが、ジーツがムリヤリ戦闘に駆り出される事が無くなったという安堵の気持ちもあった。
何より【グレムリン効果】の発動に関しては、自身に恥ずかしい思いを強いられる可能性があったので、その心配も今のところ無くなったという事が一番ほっとする要因だった。
ジーツ本人の責任ではないにせよ、あんまり過ぎる発動条件を初めてドクターから聞かされた時、アリーは火傷が悪化するかと思ったほどに気まずくなってしまった。
彼女は自分がジーツにそういう風な感情を抱かせていたとは思ってもいなかった。
「伝えることは以上だ。君はとにかく怪我の治療に専念してくれ。今後の事は追々伝える」
「はい……」
クジャク部隊がなくなる。自分一人ではどうしようもない現実に、アリーはただただ途方に暮れるしかなかった。
コーディ達と何度も死線を繰り広げてようやく【カーネル】破壊への糸口を見つけたというのにそれが水の泡となってしまう。悔しさと虚しさで涙が一筋頬を濡らした。彼女はそれを指でゆっくりと拭う。
「あ! 」
その時彼女は何かに気が付いたのか、明らかに焦った様子でベッド周辺を見渡し、キャビネットの棚を上から順に開いて何かを必死で探し始めた。
「何か探しているのか? 」
「眼鏡……私の眼鏡を知りませんか? 」
アリーは自分が眼鏡を掛けていないことに、今気がついたのだ。
「しまった! すまん、忘れてたよ」
ビルはそう言ってから、ポケットからレンズがひび割れてフレームがグシャグシャに曲がった眼鏡の残骸を取り出し、アリーに手渡した。
「この部屋に入った時、うっかり踏んでしまったんだ。床に落ちててね……」
「ええっ? 」
その残骸を見てアリーの顔が青ざめた。愛用品が壊されてしまったにしても、その反応はあまりにも重かった。
「本当に悪かった……知り合いに眼鏡屋がいてね、すぐに同じモノを用意させるよ」
「だ……駄目です! 」
「え? どうして? 」
アリーの鬼気迫る表情にビルは少したじろいだ。
「え、いや……私、左右がその……乱視と近視で分かれてて特殊な眼鏡を使っているんで……だから、おじい……祖父に特注で作ってもらっているんです。だから大丈夫なんで! 心配しないでください! 」
ここまで動揺した彼女の様子をビルは始めて見た。何度も一緒に危険な任務をこなしていた時の彼女からは想像できない程に目を泳がせている。 BMEとの戦闘の時でさえ、ここまで焦った体たらくを見せなかった彼女が何故?
「アリー……何か隠しているのか? 」
「いえ! 取り乱してすいません。アレがないと殆ど何も見えなくて……だから、落ち着かないんです……あ! そうだ、私が着てた部隊のジャケットってどこにあるんですか? 」
「それなら俺が預かってるが……」
「ポケットにスペアの眼鏡が入っているんです! 取りに行ってもいいですか! 」
「おい待てって! 君は怪我人だろう? 今持ってきてあげるから、少し落ち着いたらどうだ? 」
数秒の沈黙が生まれた。
「それじゃあ……お願いします」
「ああ……でも隊の本部に保管してあるから、30分ほど時間をくれ。いいか? 」
「……はい」
ビルは落ちつかない彼女の様子も、さっきまで悪夢でうなされていたことと、クジャク部隊が解体されるというショックから心を取り乱しているということで、この場は流そうと気持ちの決着を付けた。
「分かった、それじゃあちょっと待っててくれ」
その言葉を聞いたアリーは安堵の表情を作る。
「すみません……お願いします」
「ああ、なるべく早く戻る」
ビルはいつもの頼りがいのある笑顔を彼女に向け、ゆっくりとした足取りで病室から出て行った。
「カツカツカツ……」壁越しに聞こえるビルの足音が徐々に遠ざかっていくのを確認したアリーは「フーッ……」と大きくため息をついた。
「まいったなぁ……」
アリーは、レンズがひび割れてグシャグシャになったフレームの眼鏡を電灯の光にかざした。
「やっぱり壊れてる」
彼女は変わり果てた愛用品の有様にげんなりしながらも、レンズに走る蜘蛛の巣状のヒビが光を乱反射する様に少し見とれていた。
まるで万華鏡のように見る角度を変えると変貌する光のアートが、退屈な入院生活を送っていた彼女にとっては一時の余興となっていた。
そうしているうちに数十分が経って、ひび割れたレンズを眺めていることに飽き始めた頃「コンコン」とドアをノックする軽やかな音が聞こえた。
「どうぞ」
ビルが眼鏡を持ってきてくれたのかな? と期待を抱きながらアリーが入室を促すと、入ってきたのは護衛隊の制服を着た長身の男だった。
彼は棒の先に輪がついたような道具を手に持っている。
「療養中のところ失礼します」
その男が持っている道具を見て、アリーは再び目を泳がせ、激しく動揺した。
「誠に申し訳ありませんが、ただ今軍の関係者を中心に、抜き打ちでワーム検査をさせていただいてます。あなたが【コブラ】に操られていると疑っているワケではありません。これはバディ元首ですら例外なく受けた取り決めなのです。どうかご協力をお願いいたします」
早口で説明を済ませた護衛隊の男は威圧的な歩みでアリーが寝ているベッドまで近寄ろうとした。
「ちょちょ……ちょっと待って! 」
アリーは両手を突き出し、男を制止する。
「どうしました? 」
「今じゃなきゃ駄目なの? 」
「すぐに済みますので」
「ちょっと待って! 今……その、なんというか……[下]を履いてなくて……」
アリーはブランケットを首下までたくし上げて大げさなアピールをした。
「それは失礼しました。でも大丈夫ですよ、ワーム検査機は基本的に着衣の上からでも探知可能ですので、アリーさんはそのままの状態でいてくれて結構です」
「ちょっとあの……」
「それでは、アリー・ムーンさん。お願いします」
アリーは返事をせず、護衛隊の男から離れるようにベッドの端に体を引きずって後ずさりする。汗も大量にかき、何かに怯え、表情が歪む。
「すぐに済みますから」
男は様子のおかしいアリーに構うことなく、どんどん彼女に詰め寄る。
「どうしました? 」
アリーは男に言葉を返すことなく、震える手で水差しを手に取り、思いっきり振りかぶった。
「ごめんなさいっ! 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます