「そしたら次に、辺ABを底辺として、斜辺が円Oの半径と同じ4cmになるような二等辺三角形を作図してもらってやねえ──」

「せんせー、コンパス忘れたんで描けません」

「別にそんな厳密に描かんでもええわ。ちょろちょろっと面積を計算するだけやからな、手書きでも全然構へんで」

「なら描けましたー」

「どれどれ。……って、なんやこれ。もうちょっと綺麗に描けへんのか？」

「あ、はい、すみません。やり直しまーす」

「おう、そうしてくれ。そりゃあいくらなんでも、二等辺三角形には似とうへんからなぁ」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい