短編集；章節無き小説

危険な薬

「ダイエットに効くよ」「いらいらが取れてすっきりするから」「勉強に集中できるようになるんだ」「大丈夫だって、みんなやってるし」「一回だけなら問題無いって。やめたくなったらやめれば良い」「最初は特別に安くしておくからさ」

嫌です、嫌です、嫌です。僕は絶対にやりません。やった後が怖いですから。

「……なんでだよ。覚悟さえ決めちまえば、後なんてどうでも良くなるくらい、最高にハイになれるんだぜ？」

ええ、確かに灰にはなれるでしょう。そうして、跡なんてどこにも無くなるんです。