第7話 休憩
闇支配の異能を手に入れた霧生はジェルフェンとの戦いを生き残れた安堵感と共に生命を殺してしまった自分に恐怖と絶望そして後悔を抱いていた。
霧生は闇支配についてミスター0から聞かされた詳細は3つである。
1つ目が霧生が手にする前にこの能力を行使していたのは元々この世界を支配していた魔王であるという事。
そして2つ目がこの異能は全ての異能を闇によって支配する力で使い方によっては相当強く、可能性は無限らしいというに事だ。
「可能性が無限って事はこの最悪な状況か抜け出す事も......」
「それは無理だ。お前を召喚する際私が隷属化魔法をかけた。つまり私の意志でお前はいつでも死ぬ可能性があるという事だ」
「なるほどな。その隷属化で俺等異世界人を脅して殺し合わせてるんだな」
「それが1番都合がいいからな」
霧生はジェルフェンの言っていた事がだんだんと理解できるようになってくる。
「2時間後にもう1戦やるからそれまで休憩でもしておけ」
「は?もう1戦って、しかも2時間後に同じような殺し合いとか絶対無理だろ!」
ミスター0は霧生の文句を無視し移動式の薄紫色をした魔法陣を展開させる。
「2時間後に転移魔法をかける。それまでは好きに過ごすと良い」
魔方陣が霧生を呑み込んだ時霧生の意識はすでに遠のいていた。
ーーーーーーーーーーーー
あれから1時間くらいは眠っていたかもしれない。見知らぬ小さな牢屋の中で目を覚ました霧生は人を殺した時の事を思い出し激しい嘔吐感に襲われる。
「あんなのがもう1回なんて無理だろ。ただでさえ精神崩壊しそうなまでに参ってんのによ」
独り言をぶつぶつと言っていると1つの記憶が思い返される。
「そういやあの幼女が言ってた死ぬよりも辛い事ってこれなのかな」
だが、正直なところでは今の状況が死ぬよりも辛いとは言い切れないと霧生は思う。確かに人を殺した事に良い思いはしていないが、それと自分の命を天秤にかけた時命の方が断然大事だ。人間の本質など大抵はこんなものだろう。
「俺の体内時計だとそろそろ2時間位経ってる気がするんだが......」
霧生がフラグを立てた瞬間に霧生の足元に転移魔法陣が展開され、
「あーくっそー。フラグを立てなきなよかったよ!殺し合いとかまじ勘弁してくれよ!」
そして狂わせるきっかけとなる第2戦の会場へと転移される霧生であった。
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