6章 古代文字と大きな怪我

 僕は、冒険を始めようとしていたが、行く場所を考えていなかったので、どうしようかと思っています。でも、いい装備を集めてくれたので装備はいいのだがと思っていると、自分の種族のエルフの国に自分の中の力のこと等で、知りたくて行きたい欲求がたくさん出てきた。まず僕は具体的な目的地が設定できていないためエルフの国に行ってもいいかもしれないと思うようになってきた。


 僕は、ギルドで魔法の駆使くしできる属性などを説明している間に考えていた。ギルドの人に名前を呼ばれたのでそっちに行くと、猫耳を生やしたお姉さんが

「この魔力量測定器に手をかざしてください」

 と言われたので、取り合えずかざすことにしたすると魔力測定器が発光したので驚いたが、僕が驚くより早くにお姉さんが


「え――――!」


 と、いって叫んでいた。僕はなぜこんな反応を取るのか先程奥の部屋から走って出てきた、ギルド長らしき人が、走ってきた。するとかざしていた魔力計測器が砕け散った。それを見た僕たちはただただ唖然あぜんとしていた。その瞬間を見た僕は苦笑いしかできなかった。横で猫耳のお姉さんが


「ギルド長!早く来てください」


 と、催促さいそくしていた。僕は半ば壊してしまった?ような罪悪感と驚きが僕の脳を支配していたため僕はあまり早く行動を起こせなかった。が、お姉さんの意識が復帰してちょっとして、僕の意識も復帰した。そして、走ってきたギルド長に


「少し話をしないか?」


 と言われ少しいやかなり心配になったが、とりあえず行ってみることにした。僕はギルドの奥に連れていかれ、こんなことになった顛末をギルド長に言った。返答はと言うと、ギルド長曰く《いわく》

「こんなことがあったのは初めてだし、限界容量からこんなにかけ離れた魔力量を持つような方は見てこなかった」そうだ。つまり、僕は特殊らしい。

 一様僕の中にいるやつのことも言ったほうが良いかと思ったが、こんな事を言うやつはまともじゃないと思われるのがせいぜいだろう。信じてもらえないことを言うよりも、今ここにある事実を受け止めようと思った。ギルドの中で異質な空気に支配されて、僕は動けずにいた。僕が考え込んでいると


「どうかされました?」


 と聞かれた。なので僕は


「はっはい、大丈夫ですちょっと考え事をしていたもので、すみません。」


「いいえ、ちょっと反応が遅かったので具合でも悪くなったのかと思ってお聞きしただけですので気にしないでください。」


 ギルドから城に戻る間に王国立図書館に寄ってみようと考え来た。ここは様々な本が貯蔵ちょぞうされているので、ここに来れば自分の中の龍の力について調べる事ができるのではないかと言う魂胆こんたんで寄ったのだが、職員の方に聞いたところ、貴重な書物らしく、王国の関係者かそれに連なる人ではないと読むことができないと言われたが、僕の服に丁寧ていねいに刺繍ししゅうされていることを確認したのか、急に態度を変えて


「お、王室の方でいらっしゃいましたか!し、失礼いたしました。」


 と言われ、慌てた様子で「こ、こちらへどうぞ」

 と、通された。


 僕は、本が好きなのだが、大量の本があった為、読めるか心配になってきた。なので職員の方に頼ることにした。


「お尋ねしたいことがあるのですけど、いいですか?」


「は、はい なんでしょう?」


「ここにいにしえの龍についての文献ぶんけんなどはありますか?大体の位置を教えてもらえれば大丈夫なのですけどご存知ですか?」


「はい、存じていますがしかし、正確な場所までは分からないのですが、龍に関するものなのでしたら禁書庫の奥の方にお婆さんがいるのでその人に尋ねた方がいいと思われます。」


「禁書庫の奥ですね、了解しました。ありがとうございました。」


 貴族やそれに連なるものは大抵の人が傲慢ごうまんだと思っていたのか、口を開けたままフリーズしていた。それを見ながら禁書庫の奥の方に歩いていくと、説明にあった通りお婆さんがいた。


「おぉ、国王のところにいた王子じゃないか、どうしたんだいここに小さい子が読むような本はないよ」


 と優しい口調で語りかけてきた。そういえば自分の容姿のことをすっかり忘れていた。今は、7歳ぐらいの体なのだから仕方ないのかもしれないと思った。だから私は、


「子ども用の本は読み漁り過ぎて今の自分ではとても最近は魔法に関しての本を読んだのですが、結構読みっきってしまって、こちらに古の龍についての文献が保管されていると聞いて来てみたのですが」


 と、言うとお婆さんは


「あれだけの城の魔法に関しての本を読んでしまうなんて、しかも古代文字が使われている龍についての文献を読もうとしているなんて王子様の知識量が多すぎて怖いですな」


 と、ニコニコしながら答えているので、単純に関心と尊敬の念を抱いていることが分かって少しいや、かなりうれしかった。そして婆さんは、僕の発言を聞いて


「確かこの辺りに」


 と探して貰った。そして見つかったかなり埃ほこりが本に被っていたのでお婆さんがライトノベルで見たようなに息で本の表紙の埃を飛ばした。かなりの埃があったらしく、かなりの量の埃が中を舞っていた。

 僕は本を受け取ると、最初に思った。 重い、え、ナニコレすごく重いと、だが城まで持って帰るには支障がなかったので、そのまま持って帰ることにした。

 城に帰ると、クラリスが出迎えてくれた。


「おかえりなさい」


「あ、あぁ帰ってきたよ」


 マルグレットは神殿にこもっているのだろう。だが、やけにみんなが忙しそうにしていることが気になった。クラリスも挨拶あいさつを言うと、さっさとどこかに行ってしまった。なので適当に本を自室に籠って(こも)古代文字に関する文献を城の中の禁書庫から引っ張り出してきて、勉強しつつ解読を始めた。


 文献を見つけて自室へ持って帰ると、紙とペンを取り出して勉強をし始めたが、なぜかすぐに解読できた。なぜだろうと思っていると、急に意識が飛んだ。僕は、見覚えのある人が目に入った。じっと見ていると、


「お久しぶりです。」


 頭上に?を浮かべていて、3秒ぐらい考えてやっと思い出した。神と名乗ったお爺さんの近くにいた騎士に人だった。それよりも、


「僕、質問が3つ程あります。1つ目はなぜここにいるのか2つ目は初めて見た古代文字がなぜあんなにすらすら読めたのか、3つ目は僕の中にある転生したときについたであろうチートのような能力はあるのかです。」


 「では、神の言葉を代行して私が申します。1つ目の質問に関しては、神が一つ言うことを忘れたからだそうです。これに関しては、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ない。2つ目の質問は、神が何でも解読できた方が何かと便利じゃないかな?と思われてつけたそうです。3つ目の質問は、確かにその力は存在しますですが、まだ発現はつげんしていないだけです。いずれは強大な力が手に入ることになると思われます。」


 こう言われた瞬間、2つの質問に関しては現状すごく助かっているので文句はないいや、逆にうれしいぐらいだ。3つ目の質問の答えに関しては、そういった力が自分にはないものと思っていたので尚なお良いただ、その力を制御できるかできないかの問題なのだろうなどと思いつつ、話をきいてた。話を終えたのか

「他に聞きたいことなどありますか?」と、聞かれた。

 なので、「大丈夫です。そういえば、この空間に物を呼び出すのはどういった方法で出来るんですか?」と聞いてみた。


「この空間は、私の内包している魔力をほとんど使いますが、あなたがこの空間を作っても何の支障もないでしょうから、特別に教えてあげましょう。」


「ありがとうございます」


「では、早速教えますね。まずは、自分の中にある大きな力の奔流ほんりゅうを感じながら、作りたい内装や空間を想像しながら力の奔流の大半を注ぎ込むイメージです。わかりましたか?」


「はい、大体は。少しやってみますね。」


 自分の中に意識を向ける、最初に魔法を発現したときの感じを思い出しながら、力の奔流を大きな漏斗ろうとで、空間を意識し、注ぎ込む範囲はここの部屋の横に取り付ける感じで魔力を注ぎ込んでいく。すると、「えっ!」と言う声が聞こえたので、しばらく瞑つむっていた目を開けると、そこには驚いた顔をした騎士の人が立っていたなんで驚いているのかわからなかったので、後ろを見てみるとそこには新しくできた空間があった。あっさりとできてしまったことに対して気づかないうちに口をあけながら立っていたら


「あなたが驚いてどうするんですか!」


 と言われてしまった。


「確かに作りだした本人が驚くってのもおかしな話なんですけどね。でもあっさりできてしまって」


「これには、空間を作り出す以外にも使われている、例えば、この空間と新しく空間の接合をしてしまうなんて規格外だよ君」


「それって、すごい事なんですか?」


「当然じゃないか私でもできない。こんな荒業あらわざする人いや少し違うかなまぁこんなことをするなんて普通じゃないことは確かだよね」


 その会話を聞いていて最初あんなに硬い話方をしていたので、威厳いげんがある人だなと思っていたのだが、話し続けていると意外とラフな人だった。緊張していたのが少し溶けていったので、よかった。


「こんな無茶なことを見せられたのは初めてだよ。あ、私の名前まだ言ってなかったね,私の名前は、ミーミルです。あ、もうすぐあなたの元いた場所に戻るので、ひとまずは、また会いましょうこれから先何度か出会う気がするので、その時は良き話相手になってもらいますよ。」


「はい、もちろん僕でよければ時間が許す限り話ましょう。では、さようなら」


 と、言うと急にゲートが開き、目の前が真っ白になって気づくと王城に戻ってきた。やはり魔法はすごいと思いながら、このまま夜更かしをしてはいけないと思い、ベットで寝た。思いのほか疲れていたのか、す直ぐに眠りに落ちた。そして、変な夢を見た。


 僕の中の龍が出てくる夢だった。龍は何かをつぶやいているようだった。内容は、「こやつ、なかなか力を求めん」とか、「早くこの空間から出て直接頭に話かけることができるようになりたいのだが」などと、結構聞こえてきたので、僕は「そんな風に思っているのか」とだけ思っていた。

 それから、意識が段々覚醒に近づいて行った。


 顔が眩まぶしいと思いつつ、目を開ける。太陽の位置がいつも起きている時間よりも高いことに気が付いた。目をこすりながら廊下へ出てすこし歩いていると、階段が目前に迫っていたことに気づかず、躓つまづき、階段の結構な上の方から落ちてしまった。かなり大きな音がしたのか、メイドたちが急いで駆けつけてくれた。頭がくらくらする。手の方を見てみると、曲がってはいけない方向に曲がっていた。気付くと痛みがあとから来た。僕は感覚があったが猛烈もうれつな痛みのおかげか意識が有って無いような物だった。するとメイドが痛みを必死になって声に出さず耐えていると、マルグレットが血相けっそうを変えて鬼気きき迫る勢いで駆けつけてくれたので、凄く驚いた。やはり骨が折れているのか、大丈夫と言おうとして手を掲げようとしたら手が上がらず、落ち込んだ。初めての大きな怪我けが?かも知れないと思った。大人しくしていると痛みが和らぐので、担架たんかが来るのを待っていた。しばらくすると、奥の方からメイドが二人ぐらいとクルスまで来て、クルスが折れたと思わしき変色している方の手を握るから急激な痛みが僕を襲い苦痛に顔を歪ませていると、慌ててクルスが


「ごめんなさい」


 と言って勢いよく手を放した。そのおかげで痛みからは解放されたが、クルスの顔が曇ってしまって

「大丈夫だよ。でも、こんなことになってから遅いんだけど、もっと注意を周囲に払っておくべきだったよこのことばかりは謝る他謝罪する手段を持ち合わせてないよ。本当にごめんなさい。」

 と言い終わるとクルスが、


「昨日はかなり疲れていたのだったみたいだからいつもより長く寝させてあげた方がいいと思ったのこっちにも非があったのよ。だから、貴方だけが悪くないわ。ちゃんとこれからは、何か対策を打っていくつもりだから大丈夫なはずよ。」


 嫌な予感はしたが、とにかく安心させるためにここはうなづいておいた。だが対策というところが無性むしょうに気になるところではあるけど、早く怪我を直さないといけないと思っていたのであった。

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