3章 女王と龍の力

 お茶のおいしい入れ方を聞いて、少し経ったときだった。メイドが血相けっそうを変えて部屋に来たというのだ。それで、玉座の間に行くこととなった。

 いったい、何があったのかわからぬままついていくと、女王がすごく難しい顔をしていた。その顔はすごく驚いた顔だった。僕は、とても不思議でなかった。

 不抜けた顔で女王のもとへ行くと、「こちらとしては、とても、いいことが分かったが、君には辛いことかも知れない」と、言ってきた。僕は、頭上に「?」がある状態で呆然と立ち尽くしていると、女王は「君の血に中には龍の物と同じ血が流れているのよ」僕は、作法のこと日と思っていたので、すごく驚いた。思わず「え?」と言ってしまった。

 僕は、龍と言われたところで、自問自答を繰り返している。女王は、「予想通り」といった感じで今は普通にしている。そして大体2分が経ったあたりでこっちに意識が戻ってきた。僕は女王に「龍の血とはどういうことなのですか?」と尋ねてみた。すると、女王は、「この世界が始まる前にいた空の民という種族が、崇拝していたという神が龍という訳、でも、空の民は、思想や考えの違いなどがあり大戦が起きて、滅んだのだ、しかし、龍には痣があると、書物で読んでいたのだが空想上のものと、高たかを括っていたのだが、こうして前にいる以上、信じぬわけにはいくまいて」と、言った。

 なるほど、龍のことは分かったが、これから僕はどうしたらいいのだと思っていることを伝えると、「王宮に住むこともできるし、対応は、ここの王族の血を受け継いだものでいいわよ」と、言ってきたが、村に残してきたみんなや両親のことも気になるから「このようなことは、非常にありがたいことですが、僕一人で決めかねるので、家族とも話をさせてください」といった。すると王は、「分かったでは、後日改めて返事を聞くことにしよう」と言ってもらえた。僕は、お礼を言って馬車で、家路についた。

 僕は家族に自分の龍の血のことと、宮殿に来るかと言われたことを話した。すると、両親はとても驚いた顔をしていたのだが、しばらくすると、分かったように、普通の顔に戻ってくれたのだった。すると、二人ともが、それは僕たちの人生ではないのだから、イリスの好きにするといい」と言ってくれた。班の仲間たちにもこのことを話すと、驚いたやつや大半で特にリリアが過剰かじょうな反応を見せたが、少し話すと、いつも通りに戻ってくれたことを安心しながらリリアの話を聞いていた。

 僕は、こんな仲間たちだけど、いい仲間だったと思うことを伝えた。察したのか、みんなが顔を立てに振ってくれた。

 そして、馬を持っているお姉さんのところに行って適当な馬を見繕ってもらって、城に向かうことにした。行く日の前日、僕は夜中森の中に行くようにした一人になりたかったからだ。すると、いつも見ないような大きな大樹たいじゅを目指して歩いていた。僕はここは何処だと思いながら、それでもなお、進んだ。すると、とても大きな龍が僕の前に姿を現あらわした。僕は、不思議と驚かなかったいや、むしろ、懐かしささえ感じた。

 僕は、何か話かけようとしたが、僕より早く口を開いたのは、龍の方であった。

 「ここはただのエルフのようなものが来れない地だ、だが、お前からは太古の龍の血の匂いがする。これは面白い。そこのエルフ名前は何だ?」と、聞いてきた。僕は、素直に答えることにした。「僕の名前は、イリスです。ところで、あなたの名前は?」と尋ねてみた。すると、「儂の名は、エリシード・ドラシルだ」と、言った。挨拶あいさつも終わったところで、気になっていたことを聞くことにした。

 僕はなぜここにいるのかと、龍の力の使い方についてだ。「ここに来たのは単に龍の本能で何かがいると察知したので来ただけだと思う何しろ古い龍なのでな少しわからないこともある。それと、龍の力についてじゃが、魔法が使えることになっているじゃろうが、これは、ほかのものたちの魔法とは少し違う。なぜなら、龍の力が少し魔法に混じって力を出しているじゃ。本当に使えるようにするには、魔法の行使と同じようにするよために、魔法を使えなくする必要が出てくるじゃろうな。このまま龍の血からを行使しよう物なら、リリアと言ったか、お前の体が崩壊ほうかいするのじゃじゃが、魔法を捨てればより強い力を身に着けることができるだろうな」と言われた。だが、使いたいが、魔法を捨てるのも惜しいと、考えていると、「魔法は人間たちが使えるように改良した劣化れっか版じゃむしろ魔法を使うことをやめて、龍の力を手にいれるほうが、いいと儂は思うからのぉ~」と、言われた「じゃぁ」と思って口を開こうとしたら、「因ちなみに、儂は記憶を飛ばすことはできんぞ、それをでいるのは、近くに国があるだろう?そこに祀まつられている龍ができると聞いたことがあるが、今は宝物殿に記憶を忘れさせることのできる宝具を授けたと言っていたがの」と言っていた。僕はあの王国に行けば、できるようになるのかと思いながら家に戻りだすと、エリシード・ドラシルが「転移させてやるからこの上に乗るのじゃ」言ったので、僕は転移で帰った。空の東のほうが少し明るくなっていた。朝日が昇りそうになっていたのだがさっきのドラシルさんが言っていたことを自分の部屋で考えていると、いつの間にか朝食の時間になっていた。

 そして、朝ごはんを家族と食べ、村のみんなに挨拶をして、王城から来た人と、馬に乗って王城に向かうことになった。案内役の人に挨拶をしてから馬に乗り村を出て、1日たった夜のことだった。急に後ろで音がしたので、後ろを見てみて見ると、護衛隊の人に何が起こったのか聞くと、山賊が現れたと言われた。僕は、かなり焦あせったになった。僕は後ろを見まわしていると、確かに何人かに追われているのは殺気が出ていたのでよくわかった。

 僕は、どうしていいかわからなくなった。山賊に追われるようなことはなにもしていないし、王族の護衛部隊を狙うことは大罪たいざいになるという事を知っているのかわからないが、とにかく「魔法で適当に速力を落とすようにしてみよう」と思い、氷魔法を撃つ撃って地面を凍らせてみると、予想を超えて飛び越えてきた。「えぇ~!!」と思わずびっくりした。僕は、今度は、風で砂を巻き上げて、目潰しを狙ったら、予想通りで馬が泣き声を上げながら、倒れていったことが分かった沢山の馬が走っていたのだが、大半が目潰しで、大半が潰れていた。正直、「やったぜ」と思ったが、何気ない顔をしておいた。そして、坂を上っているところで、石があったのを知らなくて、魔法を撃ったら、後ろのほうから、叫び声が聞こえてきた。僕は「やっべ、当ててしまった」と、思った。それが顔に出てしまっていたのか、僕を囲んでいた護衛の人が「大丈夫ですか?罪人に情なんて必要ありませんよ」と言われたが、余計にメンタルに、負担をかけてしまった胃が痛くなってきた。そして、あと、数時間執念しゅうねん深く追いかけてきたのだが、結局諦めたようだった。これで、安心して王城に向かえると思うと、気が晴れた。

 そして、2日たった時、もうすぐ国に入りますよと言ってきた。もうすぐ着くと思っていた。すごく安心した。僕は、城下町を見ながら、進んでいくと町の人が頭を下げてくる人が多かった。「なんで頭を下げているのかなぁ~」と思って見ていると、「護衛の人が尊敬や敬畏けいいの念を表しているんですよ」と言われた。正直、こんな事を思われたことや、言われたことがなかったので、泣きそうになったがこらえた。

 そして城下町を抜けて、王城に入ると女王が直々に迎えてくれた。僕は、ここでこれからの生活をしていくのかと思うと、僕は金銭感覚がおかしくなりそうだと思った。

 早速僕は、荷物を置き、玉座の間に行った。すると、僕は女王はメイドに持たせていた剣を肩に当ててきたので頭を下げた。すると、女王が、「王の名において王の血族の権限《けんげん》を与える」と言われた。それは、前にも生きていたので、驚かなかった。前に話していたドラシルさんが言っていたことを思い出して聞いてみると、普通にそんなのあったかなぁと顔に出して「たぶんあったと思うわ」と言われたが、物は試しだと思って「持って来てもらえますか?」と、聞いてみると、「わっ、分かったわ」と言われた。ので、半分無いと思っていたのだが。

 あってしまった。僕は、さっき会った時に記憶を僕と僕の居た村の住人に宝具で記憶の改竄《かいざん》をしてくださいと言ったのでまずは、僕みたいですね。と、思いつつ言われるように用意していると、乾物の塊のような老人が出てきた。その老人が僕に機材的なものをつけているそして何かアドバイスみたいなことを言っているのを聞いているみたいで最初は光りだしてまるで眠るかのように意識が微睡まどろみの中へ落ちていった。そして、変な夢を見た。ベルサイユ宮殿のような場所に居たかと思うと鏡の中に吸い込まれて行って死神のようなものに龍が話しかけているような光景が見えた。すると気づいたのかこちらに向いて「我が主よ・・」と言われ、「へ?」となっていると、死神?のような奴がこちらに全力で走ってきた慌てて魔法で反撃しようと思ったが、魔法が出なかった。僕は「死」を覚悟したが、いきなり「バンッ」という音と共に死神?がへたり倒れた。すると、龍が「主殿、龍の力を求める時は呼ぶがいい我が力を以もって主殿へ我が力を余すことなくすべて授さずけよう」と言われたところで急に明るくなった。

 僕は、ほとんどのことを思い出せなかった。ただ分かる事が2つある、自分自身の体が小さくなったというか、年齢が戻ったという事と、この建物自体が自分の家だと認識している事だ。自分の体をよく見ると赤ちゃんになっていた。だが、前世の記憶やさっきの龍のこと、ドラシルさんのことは、覚えていた。

 僕は、メイドや女王に育てられ現在2歳になっている。魔法が使えるようになってきて、すべての属性魔法が使えるようになり、何か混じり気が出てきて威力が落ちてきているようになってきた。龍のことを今行う訳にはいかないしと思いながら、僕のお世話係のマルグレットが修行や僕の部屋の掃除、遊び相手になってくれたり、城内の神殿に連れて行ってくれたりする。他に、リリザという神殿の神官や女王のクルスたちも僕の遊び相手になってくれている。魔法のコツや使い方などを教えてくれたのもマルグレットやクルスだ神官という役職柄毎日いられるわけではないが、リリザとも楽しくやっている。クルスに「お母さん」と呼んだら、しょぼんとしていたので、「お姉ちゃん」と呼ぶと機嫌が良くなった。さらに、「大好き」と言いながら抱き着くと、口角を上げているので、喜んでいることが分かる。僕は、そんな環境の中で育った。金銭感覚はお金を使ってなかったので何とかなっているが、移動手段だけは、ずっと馬車だったので、歩くのが面倒なんて思うときもしばしばありましたが、無事6年の月日が過ぎ、8歳になった。勉強もそこそこできる状態になっている。国の事とかは教えてもらえないので、乾物お婆さんに聞いたり、書物庫に行って本を読んで調べてみたりした。魔法の本を見て何とか龍の力を高めようとすると限界なのか魔法の力が消え両方消滅してしまう。とても不安定なものに変貌してしまうことが分かった。僕は、龍の力の純度を上げるため必死になって本を読み漁って調べたが、古いにしえの昔龍がいたことぐらいしか書かれていないのだ。一つ試したことのないことを試してみようと、違和感の塊を掌に凝縮させるイメージで発生させようとした温かいものを感じて目を開けると、見たことのない蒼《あお》いまるで雲一つない青空を見ているような感じだった。

試しに、近くにあった木に当ててみると綺麗《きれい》に放物線を描いて木の1メートルぐらい前に落ちてすごい音を出して爆裂《ばくれつ》した。木を見てみると、跡形もなく木端微塵《こっぱみじん》になっていた。僕は爆心地へ行ってみると、巨大な深さ9メートルあろうかというぐらいの穴ができていてやった自分が一番驚いた。少しすると、クルスが急いできた。こんな大穴見たことないという顔になって「イリスがやったの?」と聞いてきたが、後から来たマルグレットがそんなこと絶対に有りませんが、魔法の使われた感覚を一切感じないのです」と言った。僕は、内心「悪い事」をしたよりも喜びのほうが勝っていた。

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