第7話

仕事を終わらせて、ロッカールームへ行くと陽子が恵美ちゃんと話していた。


「あ、菜月お疲れー。もう帰れそう?」

「お疲れーちょっと待っててー着替えるから」


浅川さん、まだなのかなぁ。恐る恐る聞いてみた。

「えと恵美ちゃん!あ、浅川さんも来るんだよねー?」

「うん愛美さんはねー、仕事残ってるからあとから直接お店くるってー」



着替えて、会社をでるとお店へ向かった。浅川さんがあとから来てくれて良かったかもしれない。きっと緊張してうまく話せなかった。


話しながら20分くらい歩いてると、合コン場所のお店に着いた。居酒屋さん。中に入ると合コン相手の男の人4人はもう来ていた。


「こんばんわー今日はよろしくね。てか、一人足りなくない?」

「うん、一人すっごい美人だよー。ちょっと遅れてきまーす」

「そ~なんだ。それは楽しみ。みんな可愛いねー」



合コンが始まって、適当に自己紹介とかしているときに、浅川さんが遅れてきた。


「ごめーん!遅くなっちゃった」

「おぉ本当に美人だね。今日はよろしく」



陽子は真ん中のカズヤくんって人が気になるみたい。浅川さんはどうなのかなぁ。彼氏いるんだからそんなに乗り気ではないよねー…。浅川さんの方に視線をやると向いにいた男の人と笑顔で話していた。胸がチクっとした。

なんだろう…自分がこの場にいてはならない気がしてきた。男の人と話してなにが楽しんだろう?浅川さんまで。私と話しているときよりもずっと楽しそうだ。


お酒を飲みすぎたせいか急に気持ち悪くなってきた。


「ごめん…ちょっとっ…」

「え!菜月大丈夫?」

「大丈夫大丈夫ごめんね」


そういうとトイレへ行った。席を立つとき浅川さんが私を心配そうに見ていた…気がした。


トイレにつくとすぐにヘタリこんでしまった。

友達の陽子や恵美ちゃん、浅川さんのことまで気持ち悪く思えてきた。

同性しか好きになれなくて、友達のことを気持ち悪いなんて考えてしまう私が一番気持ち悪いのが現実なのに。

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