☕️——京都の魅力——🍰

【京都の魅力】を考える

 千三百年の歴史——。



 一言でそう言うけれど、その重みを語るにはが必要な気がする。それは京都人が閉鎖的で、”一見さんお断り“と他所者よそものを突き放す意地悪な心意気に垣間見える気がする。


 ——ぶぶ漬けでも、どうですえ?


 その意味は、そろそろ、お帰りの時間ですよ——、である。

 こんな回りくどいことを、あのした京言葉で言われると、聞いたものは、腕時計にさっと目をやってしまうのだ。


 ——ああ、もうそろそろ、おいとませんと

 ——へぇー、そうですかぁ? またきっと来ておくれやす


 と、お決まりの会話が進み、メデタく客人は帰っていくのだ。


 それでも、「京都」という街は、世界有数の(トップ3に既にランクインしている)観光地なのだから、どこかできっと京都人はほくそ笑んでいるに違いないのだ——、と私は思う(かなり強い思い込みで恐縮であるけど)


 ——所詮は、観光のお客さんでっしゃろ


 その後にはこんな心の声が隠されてる気がする


 きっちり上辺だけ、京都のええとこだけ、見て帰っておくれやす——と、なんとも腹黒い京都人の声である。

 京都人の方が聞けばなんとも失礼千万な話なんだが、あえて私は言を怯まず進めたい。

 つまり、こう——、ではないのか。


 ——そないに、簡単に分かってたまりますもんかいな


 長いこと、此処に住んでる自分らですら、その重みに耐えかねてるとこあるし、守っていかなあかん文化もぎょーさんあるんやし、それが昨日、今日来た人らに簡単に、京都って——とか、語って欲しゅーないわ、と。


 ——やっぱり、京都っていいよね〜、歴史って深いよね〜


 そんな、観光客が何気なく吐く言葉に京都人は耳をそばだてて、複雑な表情を心の中に作ってるんだと思う。


 でなきゃ、京都って簡単すぎる。あまりにも整いすぎで、これじゃどこに持っていっても(どこに出してもモテなイケメンみたく)人気もんなのは、当たり前。


 簡単すぎるものが、こんなにも多くの人々に愛され、多くの人々を惹きつけるはずがないのだから————。



 変な話だけど、でなきゃ、いけないみたいだ。


 複雑で奇怪で、一筋縄じゃいかない……、そういうものであり続ける京都というのは、ほんと厄介な場所だ。


 それでも、京都に行きたくなるんですけどね。

 難しかろうが、簡単だろうが、京都は京都。好きなもんは好きで、また何度も足を運びたくなるのが、京都———、それで、いいじゃないか。


 しち面倒くさいこと考えないで。


 そうだ!、京都に行こう!!

 おいでやす、京都へ——。



       ふふ、京都って、いいよね————————。





      【恋文】「京都に恋して、京都で恋して」 — 完 —





        ****************



 ここで、一応【恋文】「京都に恋して、京都で恋して」を終わりとさせて頂きます。長きにわたり、ご購読頂きました読者様に、ひとまず感謝の念を伝えたく存じます。ありがとうございました—————。


 この先は、少し捻った【恋文】を数話ほど、お届けして、この作品を終えたいと考えておりますで、よろしければ、もう少しだけ、お付き合い頂ければ幸いでございます。             

                       ー千葉 七星ー

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