第22話 第二競技 デスマッチ (3)
周りの建物を溶かし、兵装学園が近づきにくい状況作ったルゼ
ルゼは2人に語り掛ける
「もし、兵装がこの状況で尚仕掛けてくるのであれば、私が対応します、お二人は人知側の攻撃を警戒してください」
「了解 / 了解」
2人が同時に合図を出し、人知が去っていった方角めがけてルゼが魔法を使用する
「雷槍(らいそう)」
ルゼが生成した槍から出た光の閃は、人知が去っていた建物にめがけて真っすぐとんでいき、その周囲一帯を協力な電流が迸る。
【お~っと!なんという協力な魔法だ!!、これをまともに受ければ動けなくなること間違いなしかああああ!?!?!】
アナウンスのテンションが一気に上がる
___
「まったく...恐ろしい威力ですねぇ、いやはや...やはり私の目に狂いはなさそうです」
「油断禁物ですよアル様...」
「そうですよ...貴方は興味を持ったものしか見なくなる悪い癖があります...」
「おや...お二方からそんな事言われたら...私ショックです...」
「思ってもない事を...」
ルゼが放った雷槍の威力を目にした人知の3名は改めてルゼというものの異常さを知る事になった
「どうするんです?アル様?」
「そうですねぇ~ とりあえず一度様子見をしてきましょうかねぇ」
リヴィティの問に答えるアル
「一人で大丈夫なんです?」
「私の事...信じていただけないのですヵ?」
「無論信じていますよ?」
「よかった!なら少し行ってきましょうかね」
その言葉を残しアルは2人の前から姿を消す
「まったく...自由気ままな人だよ...」
「だね」
残されたリヴィティとアルヘイムは兵装が向かったビルを眺める
そして場所はフレイが溶かした建物の近く
「やはり、貴方から出てくるのですね」
ルゼの問いかけに声が帰ってくる、姿は見えないが声だけが聞こえてくる
「はぃぃ...貴方の事が気になってしまって、つい一人できてしまいました」
するとフレイとアリスでは全く感じ取れなかった場所から人知研究機関の創設者、アル・ティストラルの姿が現れる
「な!?」
アリスとフレイは驚き、咄嗟に戦闘態勢に入る
「おやややや!?!?!?少し待って待って!!あなた方と今戦いを交えるつもりはありませんよ~!?」
アルは少し慌てた様子でアリスとフレイに呼びかける
そんなアルにルゼは
「道化を演じるのはやめたらどうだ」
「ふむ...普段私、こういうキャラで通してますので」
アルは言葉を返す
「それで?貴方だけがここに来た理由は?」
「それはもちろん貴方の力をみせていただきたいのです」
「...アリス、フレイ周囲の警戒、お願いできますか?」
「わかった」
2人はルゼのお願いに応える
「流星の如く貫く聖光(ブリューナク)」
ルゼは先手でアルに向かいブリューナクを使用する
指先から出た光の一閃はアルめがけ飛んでいく
【あまりにも輝かしきその光...私にはもったいない...私には届かない...届く必要などないのです...私は闇なのかもしれません...光と闇は交わらない...故に光は闇を避けるのです...】
アルは詠唱とは違う奇妙な言葉を言い続けている
そしてルゼが放ったブリューナクがアルに直撃すると思われたその一瞬
ブリューナクがまるでアルを避けたかのように起動を変えた
まるでアルだけを避けたかのように、ぐにゃりと曲がり、アルを避けた後はもとの軌道に戻り、後ろの壁に直撃した
「なるほど...」
「おや?今のだけで私の力...理解されたのですね? やはり貴方は全てを知っているようだ」
「言ノ刃...ですか 言葉を司どり、時には武器に、時には薬に、そして時には事象すら成しえるという異能ですね」
「お詳しい...」
それを聞いていたアリスとフレイは驚いている、そんなものが存在するのかと
「アリス、あれを使用しますフレイさんと離れてください」
「...わかった」
(ルゼはあの魔力を使う気だ)
察したアリスは即時フレイと共にその場を去る
「空間断絶結界」
ルゼは周囲一帯に空間を断絶する結界を使用する、外部から完全に切り離された空間を生成する
「おや...これまたとんでもない結界を使用しますね...これは見せていただけるのでしょうか?」
「えぇ、あなたのその異能、恐らく貴方は...」
「おっと、今それをいうのはやめましょう、今はただあなたとの闘いを楽しみたい...さぁ、見せてください...全てを知る者よ!我言ノ刃で貴方を迎え撃ちましょう!」
ルゼは静かに詠唱を始める
【私は全てを視てきた】
【限りない世界の始まりと終わりを】
【干渉はせず】
【ただ視るのみ】
【故に私は全ての知識をここに持つ】
【故に私は世界そのものである】
【無限の刻(とき)をここに記そう】
【超越の刻来たれり】
【降り立ちし傍観者(フォールンダウンバイスタンダー)】
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次回【降り立ちし傍観者 vs 言の刃 】
元傍観者が世界に降り立つ ulce @ulce
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