第21話 第二競技 デスマッチ (2)
アナウンスの戦闘開始の合図と共に3勢力が一度に動きを見せる
兵装学園は辺りを素早く見渡し、一番高いビルへと走り動き出す
それを見た人知研究機関は市街地の中でも小さな建物が入り混じる場所へと去っていく
魔法学園は両者の動きを見たうえで、あえて近辺にあった建物に一時潜む
「さて...どうするよ?」
アリスは2人に向けて質問をしてみる
「相手はまるで逆の立地の建物に隠れたけど、ここからどう攻めたものか」
「そうですね、距離としては人知研究機関⇒兵装学園となっていますが...」
フレイはルゼのその言葉をききつつルゼに問いかける
「人知のメンバーはよく知らないけど、兵装学園の奴等に高台をとられて、この市街地の一帯を見られるとなると厄介よ?」
「ほぅ...それはどうしてでしょう?」
ルゼはフレイの言葉に対し疑問という顔をする
「兵装にいる狙矢(そし)アンブルという人の武器が少し厄介でね、彼は一度狙いを定めた者を確実に射貫く矢をもっている」
「交わす事は不可能だと?」
「恐らく不可能でしょうね、かなりの追尾力だし、防ぐというのもダメね」
「ある意味最強の矛といったところですか?」
「えぇ、でも弱点もある」
「狙えるのが一人...といったところですか?」
「えぇ、その通りよ、確実に1人を射貫く矢は 一対象一矢のみ撃つ事ができる、一矢を撃った後、ターゲットにした標的がその矢に射貫かれない限り、次の一矢は打てない」
「その矢の速度はそれほどなのでしょう?」
するとフレイは手元に火の玉を出し、壁へと投げつける、その速度は軽く100キロを超えている
「なるほど、その矢の速度より早く逃げ続けていれば、アンブルの必中の矢は飛んでは来ないでしょう」
するとアリスが名乗り出る
「なら、俺がアンブルの矢を誘うか?」
アリス向かいルゼが注意する
「相手がアンブルという方だけならそれで問題ありませんが、そうではありませんからね..」
「えぇ、その通り、光剣(こうけん)エルナの光の剣、それは光そのものを剣と化すっていう情報だし、透刺(とうし)ヴィルムの見えない一撃も厄介だわ」
「その通りですね...それに人知研究機関...アル・ティストラルもいますからね、もっと言えば兵装学園をもし無理に狙いに行けば、人知研究機関と兵装学園の挟み撃ちに合う危険性も十分にあります」
「じゃぁどうする?」
アリスが2人に疑問を投げかける
「アリスさん、高火力な魔法を一つ適当な場所で構いません、放ってもらえますか」
「? いいけど」
フレイはルゼの提案に乗り魔法を展開する
フレイが右手を上に挙げると 火が生成され、それが徐々に球体上に大きくなっていく、そしてフレイがそれを握りつぶすような手の動きをしたと同時に
ドゴォォンン!!!
とてつもない爆音と共に回りの建物が焼け落ちる
「相変わらずすごい火力だなフレイは、でもこれ俺たちの場所だけ焼けてなかったら怪しくねー?」
「それでいいのですアリス、私達はここにいる、ですが近づこうとすれば、炎で溶けた溶岩帯を通らなければならない、人知ならともかく、兵装ではそうそう無理してはこれないでしょう」
「つまり狙うのは人知?」
フレイとアリスがルゼのほうを見ている
「そういう事です、気になる事もありますしね」
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次回は人知研究機関サイドでお送ります
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