第12話 学園で視る者とは【傍観者vs星の理】

「いくぞルゼ!」


(声は女性になってますが、口調はハイドのまま、アリスという人物とハイドはどういうつながりが...)


「手のかかる人ですね!」


ハイドはすさまじい速さでルゼに接近し格闘技で攻撃をしてくる

その速さ故に破壊力はとてつもなく、星の理が攻撃した場所はまるで隕石が落ちたかのようなクレーターができた


「まったく...どうやら私が時空断絶結界を使っているのを分かっていて、あえて力を上げてますね...」


「逃げてばかりじゃ何も分からないぞルゼ!」


光の速さで移動するハイド、いやアリスを目で追うルゼ、


【光り輝く雷槍よ、瞬く閃光をもって、対象を貫け】

【雷槍鳴神】


ルゼは詠唱魔法を起動し、雷槍鳴神を地面に突き刺し電撃を発生させる

その電撃はアリスを捉えようとするが攻撃がまるで通っていない

体が光で出来ているという感じですかね


「次は(私/俺)からいくぞ!【聖槍アペンド】!」


(ハイドとアリスは別々の存在なのか!?)

アリスの手元にはとてつもない魔力を宿した光の槍を顕現させた


「光属性に特化しているようですね...!」

【暗き闇よ、光を喰らえ、顕現せよ光喰らいし闇夜の獣よ!ダークナイトフェンリスアルヴ】


ルゼは闇属性の顕現魔法を簡易詠唱で顕現させ、アリスを攻撃する


「闇の獣ごときが私(俺)の光を舐めるな!」


アリスは聖槍アペンドを闇夜の獣に向けて投擲する

その放たれた聖槍もまた光速の速さで闇夜の獣めがけて飛んでいく


「虚層...!」


ルゼは一定範囲の空間を曲げる魔法を使い

アリスの投擲した聖槍アペンドの起動を闇夜の獣から外させた


「空間操作まで出来るとはな!やはりルゼ!お前は只者じゃないな!」


「そっくりそのままお返ししますよ!」


闇夜の獣はそのままアリスに向かい突撃する


【光射すは我聖槍!全ての悪を滅ぼすために!我聖槍は無数の雨と化す!

さぁ流星の如く降り注ぎ、全ての悪を滅せよ!】


(全詠唱の聖槍...! やはりこの力は古代術式を用いた天界魔法!)


【流星の裁き(スターゲイザー)】


無限とも思えるほどの小さい聖槍が流星群のように闇夜の獣に降り注ぐ


「グォォォォォォ!!」


闇夜の獣は無数の聖槍に貫かれ地面に落ちてくる

そして闇夜の獣は消えていった


「どうしたルゼ!その程度ではないだろ!?」


ハイドは上からルゼを見下ろし挑発する


「まったく...どうやら格の違いを見せる必要があるようですね」


「!?」


ルゼの雰囲気の違いを察したアリスはさらに上へと上昇していく


「顕現させたもう一つの存在を自身に憑依させ、ステータスの移行の力で大きすぎる力を上手く分配し、隷従の力で令銃の術式を利用し、古代の魔法を使用する...か」


「アイデントが驚くと言っていたのも納得ですね、星の理、アルス・リディアークとは、ハイド・アーヴェルが創造したもう一つのハイド、もう一つの可能性ということですか」


「ですが、遊びはそろそろおしまいにしましょう、星の理、いえ、ハイド」


【私は全てを視てきた】

【限りない世界の始まりと終わりを】

【干渉はせず】

【ただ視るのみ】

【故に私は全ての知識をここに持つ】

【故に私は世界そのものである】

【無限の刻(とき)をここに記そう】


「あれは...!まさか!!いやそんなはず!あれは伝承上の神の御業!」


【超越の刻来たれり】

【降り立ちし傍観者(フォールンダウンバイスタンダー】


その瞬間ルゼの魔力がハイド/アリスでは計測できない程の、いやおそらくは魔法学園ですら1人としていない程の魔力の量をハイドに見せつける


「今の詠唱は、伝承で聞いたことがある...この世界とは別の世界がいくつも存在していた時代、そしてこの世界より先の未来の世界、あらゆる世界をその瞳に収めてきた世界の傍観者と呼ばれる存在が、全ての世界を視るために得た魔力を開放する詠唱魔術...まさかルゼ...お前は!」


「いつかは知られるとは思っていましたが、仕方ありませんね。」

「私はあらゆる世界を視てきた傍観者、その伝承上の人物は私のことを指しています」

「光栄に思いなさい、ハイド・アーヴェル アルス・リディアーク」

「次は私が貴方を試させていただきます」


【新たな星誕生の時、私はそれを見届ける者】

【新星創造(ノヴァ)】


「かつて見た時のノヴァとは桁が違う...!」


【全てに始まりがあるように、全てに終わりが訪れる】

【故に終わりがあれば始まりがある】

【終わりが来たなら始まりの刻(とき)を再び刻(きざ)もう】

【終焉の新星(スーパーノヴァ)】


ルゼが創造した惑星並みのエネルギーの球体が中心からひび割れていく

そしてひびが入り切ったその時

ゴォォォォォンという音とともに結界の中の全てが塵と化した


「私の正体を知るのは今はハイド、君だけです」

「この事を話すも話さないも君に任せましょう」

「あなたの試したいことが試せたのかはわかりませんが、満足していただけましたか?」


「アリスとしてのハイドは塵になり、ハイド・アーヴェルとしてのハイドが地面に転がっている」


「あの一瞬で全てを塵にして、必要なものだけを即座に創造したのか...」


「えぇ、それでは私は明日、大会の詳細をアイデントに聞かなくてはならないので、これで失礼します」


そういってルゼをハイドを後にした


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今回新規登場

【空間断絶結界】その結界内と結界外を切り離す結界

【聖槍アペンド】古代術式を用いた天界魔法により生成された槍

【流星の裁き(スターゲイザー)】無数の聖槍を降り注ぐ

【ダークナイトフェンリスアルヴ】闇夜の獣を顕現させる

【降り立ちし傍観者(フォールンダウンバイスタンダー】本来の魔力を開放するルゼ固有魔法

【終焉の新星(スーパーノヴァ)】ノヴァによって創造したエネルギーの集合体を爆破させ、周囲を塵と化す

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