第11話 学園で視る者とは (5)
代表選手各々の説明が終わり
学園の寮へと帰ろうとするルゼ
「代表に選ばれたそうじゃないかルゼ」
そう言って近くの木の陰から出てきたのはハイドだった
「えぇ、どうやらそのようです」
「本当にすごいなルゼは、入ってすぐに代表に選ばれるなんて、しかも二つ名ももらったそうじゃないか」
「はい、たしかに二つ名を頂きましたが、所詮は名ですからね、名乗ろうと思えば誰でも名乗れるものでしょう」
「やっぱいうことも違うな...」
ハイドは若干あきれてたような顔つきでそういった。
「ルゼ、お前だから話しておきたいことがあるんだが、時間いいか?」
(改まって何を話すつもりでしょう、時間はもちろんありますが)
「えぇ、かまいませんよ、ちょうどそこに座れそうなところがあるのでそちらで」
そういってハイドとルゼは木の近くにあるベンチに座る
そしてハイドが話を切り出す
「ルゼ...お前から見て俺とこの武器はどう見える?」
ハイドは自身の武器である令銃ファルを手元に出しルゼに見せた
「とても相性の良い武器だと思いますが」
「たしかに、相性はいいかもしれない、だがそれは俺が今の俺であるからだ」
(ふむ、ハイドとは会ったときより少し私に近しいなにかを感じました、それは私のような人知を超える存在そのものではなく、人知を超えうるかもしれないという存在)
「今の俺であるから...ですか、まるでもう一人自分がいるかのようないい方ですね」
「ルゼ、俺はもともと人知研究機関にいたんだ」
(人知研究機関...生まれながらにして特異な力を持つ者が集まるとされる場所)
(私も一度行こうとしましたが魔法学園にしたんでしたね)
「つまり生まれながらにして力を宿していたと」
「あぁ、そんな感じだ、だが俺に宿った力が、ちょっと厄介なんだ」
「その令銃と関係しているのですか?」
ハイドは令銃を使いこなしているようだが、本来令銃とは古代武器の一つであり、人という存在が扱うには複雑すぎる構成のため、誰も手を出そうとしなかった、だが複雑故にそれを解析しつかいこなす事が出来たのなら、それは脅威になりえる
「俺に宿った力は隷従(れいじゅう)の力だ」
(!?....隷従...たしか今より遥か数百年もの前一人の王が手にした力にそんな名前のような異能があったはずだ、その力は耐性無きすべてのものを自身の思うがままに操作するという禁忌の力)
「ほぅ、またとんでもない名前が出てきましたね」
「やっぱり知ってるんだなルゼ、この隷従の力は遥か数百年もの前にあった力、その上これは一国の王が所持していた力、そんな限定的なこの力を瞬時に理解したんだろう?ルゼ」
「一国ですがそれは禁忌の力、知ってる人は多いはずですが」
「いや、それに関連する資料はすべて俺がこの手で焼きはらっている」
「・・・」
「ルゼ、お前は一体、何者なんだ」
(ハイドは私に初めから警戒していたのでしょうか、かなり私に対して調べたような感じがしますね)
「私は魔法学園代表者、ルゼ・バイスタンダー それ以外でもそれ以下でもありませんよ」
「わかった、なら、少し試させてくれ......」
【我行くは星々の彼方、一寸の輝きを求め我は取る、その輝きを、その美しき英知を、故に我らは一つとなる、幾億の輝きを一つとする】
(詠唱魔法...! これほどの詠唱をハイドはつかえたのですか!?)
【顕現せよ星の理よ】
(まさか....!)
ハイドが詠唱を終え、魔術を起動させるとハイドの周りを輝かしい光が覆い、その光は柱となり天を貫いた、そしてルゼはそれをしっかり見ていた
「驚きました...ハイド・アーヴェル...いや、アルス・リディアークと言ったほうがいいのでしょうか」
光が収まりハイドに目を向けたルゼが見た者は、さっきまで話していたハイドとはまるで見た目が違い、まるで女性のような体つきだった、といっても人という感じでもなさそうだった、
まるで光そのものが人の形をとっているかのような
「どっちでもいいよルゼ、ここでお前の存在ははっきりさせる」
(どうやらハイドはここで私と戦うようだ、ハイドが詠唱開始と同時にあらかじめ空間断絶の結界を張ったので外にこの戦闘がばれることは無いはずですが)
「では私も私を守るために...少しばかり力を出すとしましょう...お覚悟を、【星の理】アルス・リディアーク」
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いきなりな急展開! 次回は、ハイド(アリス【星の理】)VSルゼ!
ルゼのさらなる力が見れるのでお楽しみに!
今回の新規登場
【隷従の力】耐性の無い者を絶対的な支配下におく古代禁忌の力
【顕現魔法】自身や武器、自身と違うもう一つの存在を顕現させる魔法
顕現魔法はかなりの上級魔法に当てはまる
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