第10話 学園で視る者とは (4)

ルゼはセリア・ブランとの戦闘を終え、その場所から去ろうとしていた

すると観客席の方でパチパチと手をたたく音が聞こえた

その音を出していた人物は先ほど言葉を交えたアイデント・セフェルだ


「素晴らしい、天界魔法をあれほど使えるとは」


「いえいえ、私の天界魔法なんて、真の使い手に比べればかわいいものです」


もちろん全ての力を出していたわけではない、加減はしてある

本来天界魔法は全て詠唱が存在する

だが、その詠唱を簡易省略、または疑似詠唱する事により威力は落ちるが即座に起動する事ができる

ルゼが先ほど行った雷槍も疑似詠唱によるもの、詠唱の段階をスキップし、魔法の真名を告げ、魔力を操作する事により最短での発動を可能としている、もちろんその分威力は落ちる


そしてその後ルゼが使用した詠唱強化版も全詠唱ではない、詠唱魔法を省略したものだ


「ご謙遜を」

アイデントは笑みを浮かべながらこちらに近づいてくる


「それで一体私に何の用でしょうか?」


この人が用無しに話しかけてくる人ではない事は明白だ


「では単刀直入に言わせてもらいますね、ルゼ・バイスタンダー、君を次の大会に出場する代表者の一人に任命します」


「というと?」


「そのままの意味です、私は次の大会の参加者の選抜を一任されていますのでご心配なく」


(いや、かなり心配だ、大会というのは何かはだいたい察しが付く、だがそれがいつ、どういったものかなどの詳細は聞かされていない)


「はぁ...」


「そして今より貴方には私と同じSSのランクが与えられます、まぁ天界魔法をあれほど見せて、なおかつ疑似詠唱と詠唱簡易化であれほどの力を出せていたのですから当然ですね」


(そこまで気づいているのですか)


「そこでルゼ・バイスタンダー、貴方を今現在までに決まっている代表者と直接会っていただきます」


(この学園の上位のもの、それも代表者になれるだけの実力者、これはあってみるのもいいかもしれませんね)


「わかりました、それでは私自身代表者に選ばれた事を承認します、同時にほかの代表者との交流も承知しました」


「話が早くて助かります、それではこちらにどうぞ」


ルゼはアイデントと共に別室へと足を運ぶ、ハイドを含めたほかの参加者もそれぞれランクが決まり、別部屋へと足を運ぶ


【ハイド・アーヴェル Sランク】

【咲神永秦 Sランク】

【セリア・ブラン Aランク】

そのほかの参加者は特に目立った様子はなく Bなどが多いようだ


そしてルゼはある部屋の前にいた


「お待たせしました神に愛されし魔術師、ルゼ・バイスタンダー」


(もう2つ名がついたのでしょうか?)


「おっとこれは失礼、SSランク以上の者はその特殊性にあった2つ名が授与されます」


「えぇ知っていますよ、説明で聞きました」


「それはよかった、ではどうぞ」



アイデントは扉をコンコンと2回叩き扉を開ける


「お待たせしました、次の大会に出場する魔法学園代表者、最後の1人が決まりました、ルゼさん自己紹介をお願いします」


ルゼはアイデントを含めた7名に向かって自己紹介をする


「お初にお目にかかります、ルゼ・バイスタンダー、神に愛されし魔術師という2つ名をいただき、アイデント・セフェルさんのスカウトにより、こちらの代表に加わりました」


「うむ...ところで~おぬしはどういった特殊性なんじゃ?」

「神に愛された魔術師とはいささか大胆ではないか、神が2つ名になった者はそういないぞ?」


一番右に座る小さい小柄の少年が訪ねてきた


(とてもおじいさんのような話し方ですね)


「申し訳ありませんが、私も先ほどいただいた名ですので」


すると横にいたアイデントが説明する


「ルゼ・バイスタンダーの特殊性、それは魔法、魔術、魔導、その全てに精通している事、まるでこの世界の現在にいたるまでの全ての魔に精通しているとも思えるその能力を評価したものです」


(あれだけでよくそこまで見抜いたものだ)


「ほぉ、それはつまり、古代魔法や天界魔法、魔界魔法、星域魔法、そういったもの全てということですかな?」


「その通りです」


アイデントのはっきりとしたその通りですは、その場にいたもの全てに認識させる

ルゼ・バイスタンダーは人知を超えた存在だと。


「それでは次はこちら側が説明する番ですね」


右から2番目に座っているこちらは18歳ほどといった感じの女性だ


「アイデントぉ!俺ぁ忙しいんだ、一人一人の紹介なんざ時間がかかる、お前が一気に説明してやれ」


一番左に座っている21~22程の男性が荒々しい声を上げる


それを聞いたアイデントも同じ事を思っていたのか


「そうですね、では私が順に簡単に説明します、詳しい事は後程ご本人から聞いてください」


それでは私から順に右から左へと説明していきますね


「では私から

よく皆さんからは冷たすぎる魔力と恐れられてしまっている

【アイデント・セフェル】2つ名【地獄の最下層(コキュートス)】


一番右

少年の見た目ですがしゃべり口調が独特な

【暁翔太(あかつきしょうた】2つ名【世界虚数(イマジナリィ)】


その隣

炎の魔法を極めている炎のスペシャリスト

【フレイ・アルティア】2つ名【神の焔(アグニッシュ)】


その隣

闇の魔法を研究して早4年 見た目は14歳のかわいい女の子、実年齢は言うと殺されるので黙っておきます

【リリア・フォーネット】2つ名【深淵の魔女】


その隣

術式入りの銃を自作で制作し、それをメインに魔弾を制作、その魔銃と魔弾の2つを併せ持つ青年

【アルア・フェブリティア】2つ名【制裁者】


その隣

本来なら呼び戻しておくところだったのですが、どうしても戻れなかったそうなので

まぁ実際に会うのはまだ先になりますが

見た目はちょっと初めて見ると困るかもしれませんが

普通の性格の人です

【アルス・リディアーク】2つ名【星の理】


そして最後

さっき荒々しく言葉を発していた荒くれもの

【ヴェイブ・アルダート】2つ名【破壊(デストロイヤー)】

まぁヴェイヴさんに関していえばそのまんまな人なので




「おい!!!荒くれ者とぁ~どういうことだぁ~!?えぇぇ!?!?」



「個性的ですね」


「はい、気になる方がいましたら後程お話しをどうぞ」


「それでは、大会はまだ先ですが、今回の大会がどういったものかの説明を明日お話ししますので、また明日にこちらに来てください」


「わかりました、それでは私はこれで」


_____________________________________


こうして急遽 時期大会の魔法学園代表者の1人になってしまったルゼ

明日はアイデント・セフェルから大会の詳細の話があるそうだが

はたして。


【今回の新規登場】


【暁翔太(あかつきしょうた】2つ名【世界虚数(イマジナリィ)】


【フレイ・アルティア】2つ名【神の焔(アグニッシュ)】


【リリア・フォーネット】2つ名【深淵の魔女】


【アルア・フェブリティア】2つ名【制裁者】


【アルス・リディアーク】2つ名【星の理】


【ヴェイブ・アルダート】2つ名【破壊(デストロイヤー)】

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