第7話 学園で視る者とは (1)

私はハイドと共に魔法学園にやってきた。

前に行った試験の合格者がそろっている

そして学園の正門とも言うべき大きな門の前に大人びた女性の人間が試験合格者はこちらに、という看板を持って立っていた

私とハイドはその人の場所へと歩みを進める


「おう!待ってたよお二人さん!君達で最後だな」


その女性は此方に気づと笑顔で声をかけてきた


「ようし!んじゃ早速だがこの学園について軽く説明するからよく聞けよ!」

「まぁ君達みんなしってると思うが、この学園は魔法を育成する機関なんて言われ方をしてるが、何もふつうの学園みたいな感じじゃない」

「君達は新しく入ったから1年生でこれから3年生までがんばれ、なんてものじゃない」

「まず初めにこの後模擬戦を行ってもらう、その戦いを見て、それぞれのクラスに配属される」

「この学園では一定以上の能力や実績などを示す事が出来れば、卒業可能となる」

「もちろん、入って1日で卒業資格も取れる奴もいる」

「逆に?あえて卒業せずに学園の生活を楽しむ奴もいるわけだな!ハハハ!!」

「んで、卒業した後にもらえる魔法学園卒業証明、このクリスタルだ」


そういうとその女性は親指と人差し指でつまむようにそのクリスタルを持ち、皆に見せる


「これがあれば、今後のギルド設立やギルドに入った後の苦労がまぁそれなりに楽になるって感じだ」


「あと、この学園は半年ぐらいに一回でっけぇ大会みたいなのやってる、それは学園の者しか参加できないから、それに参加したいがために残る奴もいる」


「クラスはそれぞれ、Bクラス、Aクラス、Sクラス、SSクラス、Rクラス」

「この5つで構成されているが、一般の魔法使用者が行けるのはSクラスまでだ」

「SS以降は少し変わった能力とか、固有特性のような事が可能な者の道だからな」


「とまぁざっくりだったが大方そんな感じだ、わからない事は今から配る資料にでも目を通しておくように!」


「んじゃまぁ早速だが、模擬戦闘を行う会場に移動するからついてきてくれ」


言われるがままに、私とハイド、そして他の新規入学者も女性の後ろをついていく


その先には大きな建物があり、中に入るとそこにはただただ平坦な地面が続いているだけ。


(ここで模擬戦闘ですか、隠れる場所などは一切皆無なのでしょうか?)


すると案内役と思われる男性と先ほど私たちを誘導した女性が話をしている



少しして話が終わったみたいで、男性の方がこちらに戻ってきた


「みなさん、まずは試験合格おめでとうございます」

「それでは早速ですが模擬戦闘についてのルールを説明いたします」


「今回行っていただきます模擬戦闘のフィールドは見てわかる通りの荒野のような場所です」

「この施設ではあらゆる戦闘の状況を作る事ができますので、色々なシチュエーションで戦闘していただくことが可能ですが、今回は荒野です。」


「そして勝敗の決定方法は、相手が戦闘不能、もしくは相手側の的を破壊することです」

「つまり貴方たちは敵に的を破壊する事、敵の攻撃から的を守る事、自身を守る事、これらの事を一度にしなくてはいけません」

「かといって、この勝負に負けたから一番下のクラスになるというわけでもありません、戦い方の戦略や工夫によっては上のクラスに配属されます」


「もちろん、相手を殺してしまうような強力すぎる魔法は禁止ですよ」

「そもそも殺してしまう事がダメなのですが」

「さて、今回模擬戦闘していただく人数は、試験合格者を含め20名ほどですね」

「1vs1の戦いになりますので、戦闘している以外の方はあちらの観戦席で見ていてください」

「尚、この試合はこの学園関係者、またSクラス以上の生徒も見る事が可能になっています」

「ですのでここで大きく決める事ができれば今後に期待できますので頑張りましょう」


「それでは対戦相手の発表を行います」


こうして対戦相手の発表が行われていく、(私は誰と戦うのだろう)


「4戦目 ハイド・アーヴェル vs  咲神永秦(さきがみえいしん)」


(ハイドの相手が発表されましたね、あまり聞かぬ珍しい名前のようですね)


「5戦目 ルゼ・バイスタンダー vs セリア・ブラン」


(私の相手も発表されましたね、見た目は16~17の女性、金髪のショート、動きやすそうな服装をしているとこを見ると、機動性のあるタイプに思えますね)

(それだけで判断するのはどうかと自分でも思いますが)



そして全ての選手の対戦相手が発表された。

これから模擬戦闘が始まる、その時私が感じたのは、とても冷たく、いまにも凍ってしまいそうになるそれほどまでに冷酷で無慈悲な魔力、その魔力を感じた観戦席2階に目をやると一人の青年が立っていた


私と同じ銀髪、目も銀色、まるで氷のような透き通るようなそんな雰囲気だった。


「あの人が気になるのですか?」

説明と対戦相手の発表を終えた、男性が話しかけてきた


「えぇ、できれば教えていただきたいのですが」


「いいですよ、あの人は、アイデント・セフェルという名前でね」

「この魔法学園のSSランクの一人だよ」


「上から二番目の高ランクですね」


「そう、そして2つ名を持ってる」


「2つ名?」


「うん、SS以上は特殊性がいるって話はしたでしょ?その特殊性を表すための名が二つ名なんだ」

「そして彼の二つ名は、【地獄の最下層(コキュートス)】だよ」


「コキュートス、氷の地獄、落とされた者は永遠の地獄を味わうというあの?」


「うん、実際あの人は氷系統の魔法をよく使うからね」


「なるほど、ありがとうございます」


(あれがこの学園でのSSランク、となるとその上のRランクは相当なものなのだろう)

(とにかく、今は模擬戦闘に集中しないといけませんね)

(ハイドの戦いが私より先にあるので、まずはその戦いを見るとしましょう)


_____________________________________

今回の新規登場


【二つ名】

SSランク以上の者が所有する特殊性を表すためのもの


【アイデント・セフェル】

学園SSランクの一人、まるで氷のような冷たく透き通る見た目をしている


【咲神永秦】

珍しい名前、刀のような武器を持ち両目を閉じている、茶髪で長髪、男性


【セリア・ブラン】

金髪でまだ幼い子供のような見た目、露出が多いというか、すごく動きやすそうな服装をしている。

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