魔法学園編
第6話 学園生活開始前夜
試験の合格を受けたルゼとハイドは試験場所からそう遠くない飯屋にいた。
「はいお待たせ!」
お店の従業員と思われる人物が注文した食べ物を持ってきた
「ありがとうございます」
「あんがとよ!」
(私は食を必要としないのですが、おいしいと感じる事は可能なので反応には困らないでしょう)
「にしても案外簡単に合格しちまったな」
「そうですね、もっと厳しいものだと思っていましたが」
「んにゃ、厳しい試験でもルゼなら余裕っしょ」
「ハイドこそ」
「まぁな?」
ハイドはこれみよがしにどや顔してくるのだった。
「そうだルゼ、お前、家はここから近いのか?魔法学園に正式に入るのは明日だから、魔法学園の部屋も明日以降じゃないと使えないし、遠いなら俺の家来いよ!」
(しまった...村に降りてそこから徒歩でここまできた、そもそも家なんてものは持っていない、だが運のいいことに家に来いと言ってくれているようだ、これは行く以外の選択肢はないですね..)
「えぇ...結構遠いですね...ハイドがいいならお言葉に甘えて行かせていただきますよ」
「おぉ!コイコイ!」
嬉しそうなハイドをよそにルゼは心の中で安堵した。
「ばっちゃん!お金置いとくよ!」
「はいよー!また来てねー!」
ここの従業員のおばあさんと仲睦まじい様子で話すハイド
「ハイドはここの人と仲がいいのですね?」
「いやこの店きたの初めてだぜ?」
「ぇ..?あぁ...そうですか....」
(ハイドらしい)
「んじゃま俺の家に行くか!」
ハイドのその言葉を最後に飯屋を出て、ハイドの家へと向かう。
「そういえばルゼって魔法使う時に詠唱するけどあれって意味あんの?」
「えぇ、意味はありますよ?、ハイドだって魔法を使う前に何やらつぶやいてたじゃないですか」
「あれは詠唱というか、俺の使う銃器に確認をとってんのさ」
「それより俺のはただ確認とってるだけだがルゼのはそんなんじゃないだろ?」
「何と言いますか、そもそも詠唱というのはどの魔法にも存在しているものです、ですが魔法を使う者の大半はその詠唱を知りません」
「詠唱を言わずとも魔法は発動できますから」
「私が詠唱するのは、本来の魔法の力は出すためですね」
「詠唱というのはいわば、魔法という宝箱を開ける鍵のようなものです」
「なんかよくわかんねぇな」
「無理もありません、今この世界で詠唱を使う者は少ないですから」
「昔は多かったみたいな言い方だな。」
(私はハイドのいるこの世界の更に前の世界、世界というものが生まれる前からあらゆるものを視て間接的な接触や調整などを行っていましたから、私にとっては常識ですが、ハイドにとっては違和感でしかない発現でしたか...?控えましょう)
「よく書籍を読みますが、そう記されていましたよ」
「本とかは読まねぇからわかんねーや」
「そうですね...簡単にまとめると、本来の魔法が100とするなら、詠唱をしない魔法は50の威力までが限度、ただ詠唱をすると本来の魔法100を出すことができるようになる、といえばどうです?」
「なるほどな、なんかわかった気がする」
「よかったです」
ハイドと詠唱について語り合いながら歩いているとハイドが歩みを止めた。
「よし、着いたぜ」
そこは一人暮らしにしては中々いい部類に入るのではないかと言わざるをえない外装だった、これがいわゆる一軒家というものらしい
「まぁあがってくれ」
「それではお邪魔します」
「ルゼ、着替えとかはあるのか?」
「えぇ着替えの心配はありません」
「そうか、今日はもう晩いし、そっちのベッドで寝てくれ」
「わかりました、それではお先に」
こうして私は眠りについた、眠る必要はないのだが、眠りについた、人の身を演じるため、ハイドをだまし続けている感じがして申し訳なくもないが、仕方ない。
...............................(ルゼ..........).........(お前は.............).......
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目を閉じていてもわかる、日差しが瞼に差し込む感じ
「朝ですか...」
体を動かし、体をならし、体制を起こしてその場で少し考え事をする。
(話題には出しませんでしたが、ハイドのあの武器は古代の物、なぜハイドがあれを所持しているのか、そしてあれを使える性能をハイドを備えている、恐らく、私に隠している事があるでしょう、ですが無理に問い詰めても仕方ありません、学園生活中に何かわかるかもしれませんしね)
「よぅルゼ!おはようさん!」
「はいおはようございます」
ハイドの方から料理の匂いがする、ハイドが料理を作っているようだ。
「ほいお待たせ!、朝はシンプルなものに限るってな!」
「ありがとうございます」
朝の食事時間は特になにかを話すわけでもなく淡々と食事を食べている。
(ハイドは人ですからね...朝に弱いのでしょうか?やけに疲れているというか、体が重そうというか)
食事を済ませると、ハイドが食器などを片付けてくれた
「ルゼ、準備できたら言ってくれ、どうせなら二人で行こうぜ」
「準備はできていますよ」
「おっ、早いな、ならいくか!」
こうしてハイドの家を後にし、魔法学園に向かう。
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魔法学園に到着するとどのクラスに所属するのかの模擬戦が行われた
それにより学園でのクラスと、今後の活動の説明などがされる
だがそれは次のお話し
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