第5話 魔法学園入学試験 (3)

(2つの試験を終え、残す試験は1つとなった)

(マナの性質を見るという試験だが、それはどういう試験なのだろう)


ルゼとハイド、そしてほかの参加者が試験監督の元に集まり説明を受ける


「最後の試験はマナの性質を見させていただきます、といってもこれは試験というよりは、診断のようなものです。」

「今までみなさんが見せてくれた試験内容とマナの性質がどれほど一致しているか見させていただきます」

「マナの性質とは本来色々あります、例えば分解という性質のマナを持つ者は、主に物体などを分解する能力に優れていますが、再生や構築といった能力には優れていません、かといって優れていない人が多いだけで実際のところ、分解の性質を持つ者が再生や構築を行えないわけではないのです」


一般 分解性質 → 分解>再生・構築

特殊 分解性質 → 分解=再生・構築


「特殊な方はこんな風に性質とは違った性能をもコントロールする事ができます」

「それを見分けるため、先ほどまでに行った2つの試験での技術と見比べるというわけですね」

「以上で簡単な説明は終了とします、それでは順番に見ていきますので呼ばれた方から此方に来てください」


試験監督の説明が終わり、誘導が始まった、ハイドが23番目でルゼがその次の24番目、まだ少し時間はかかるようだ。


「なぁルゼ、俺の性質、お前から見てどう思う?」


ハイドはルゼに向かってそんな疑問を投げかける


「そうですね...一番初めの試験内容では破壊の性質ですが、二番目の試験ではそのパワーを機動力に転換する事をしてましたので、結果的には操作の性質でしょうか?」


性質とは色々あるのだ、力を主に発現させる性質でも、破壊、分解、貫通 など

ひとつに感じる事もできるが、実質まるで性能が違ってくる。

操作の性質とは自身のマナを操作するというまさにそのままの意味なのだが、内容をまとめると、破壊という性質に寄せたり、分解という性質に寄せたりと転換する事ができるのが操作の性質。

これだけ聞けばかなり強力な性質と思われるが、欠点ももちろんある。

他の人はMAXの力が100だとすると

破壊の性質に100振ったとして 他の性質にも50や80、しっかりと鍛える事ができたなら100振る事も可能だろう。

だが操作の性質は 初めに300なら その300という数値より↑に行くことはできない


(例えば私が一般だとしてハイドが特殊だとしよう)


一般 破壊 100 分解 100 貫通 80 構築 100

特殊 破壊 100 分解 100 貫通 100 構築 0


ようするに一般の人は鍛え方しだいでどこまでも強くなれるが

操作の性質の者は一定以上にはなれない。


まぁもちろん、利点もあるわけだ。


バランスよく鍛え、全てに万能になれる一般と違い

特殊性を持つハイドのような人は ひとつの性質の限界を超える事ができる


一般 破壊 100 分解 100 貫通 80 構築 100

特殊 破壊 300 分解 0  貫通 0 構築 0


このようにステータスの操作を行い一般がたどり着けない領域に進むことができるわけだ。


(これはあくまで例の数値なだけで、ハイド自身がどこまでその転換を行えるかは知らない)


「どうしていきなりそんな事を聞くんですか?」

ハイドに対し、疑問を投げかけた


「いやさ、ルゼならわかると思うけど、俺の性質はちょっと特殊でな」


「たしかに操作は珍しい性質ですね」


「操作...まぁそうだな」


「??」


(歯切れの悪い感じだったが、今は気にしない事にしよう)


そんな事を話しているうちにハイドの順番がやってきたようだ。


「23番 ハイド・アーヴェル 此方へどうぞ」

試験監督がハイドを呼んだ

ハイドは試験監督のもとへと向かう


「んじゃま行ってくる」


そしてそれから少ししてハイドが戻ってきた


「どうでしたか?」


「ん?別に~ふつうだな」


「そうですか...では私も行ってきますね」


そしてルゼは試験監督の元へと向かう


「ルゼ・バイスタンダー....先ほどは驚かされました、まさか六属性統合を行える人物がこんな間近にいるとは..」


(やはりあれはすこしやりすぎましたか...?)


「いえ、私以外にも使える人物はたくさんいますよ」


「そうでもないですよ、人物はいても、数はそこまでいないと思いますしね」


「そうなのですか...」

(たしかにあれほどの魔法を使える者が魔法学園の試験をわざわざ受けに来るというのもおかしな話ではあるのかもしれませんね)


「おっと失礼、それでは性質を見させていただきますね」


「どうぞ」

(私はこの世界において人という容(かたち)をとっているだけで、人ではない、私という存在そのものが概念であり、性質など存在しない)

(だがここで性質の存在しない存在など知られてしまえば、それこそ厄介だ)

(ここは偽装させてもらうとしよう...)


「ふむふむ....なるほど 操作の性質ですね 大変珍しいですね、お気づきかと思いますが、先ほどのハイドさんも操作の性質でした」


「らしいですね」


(やはりハイドは操作の性質だったようだ)


「それでは私はこれで失礼します」


「はい、ありがとうございました、向こうでお待ちください」


試験監督との会話と性質の確認を終えハイドの元に戻る。


「おぉルゼ、どうだった?」


「私もハイドと同じ、操作の性質だそうです」


「おぉ!そうか!一緒か!!なんかうれしいな!」

微笑みながらハイドが此方によって来る


こうして3つの試験を終え、あとは発表を待つのみ

待っている間はハイドと色々と話しをしながら待った。

この場所の事などを話ながら。



・・・・・・・・・・


「皆さん!お待たせいたしました!」

「3つの試験お疲れ様でした!」

「本日試験受けた方は24名、その24名全ての方に合格が出されました」


(意外ですね全てに合格が出るなんて)


「それではみなさん明日、魔法学園1階にある登録場所にて、個人の情報と自身のクラスを確認しておいてください!」

「今日は以上となります!各自解散してください!」


その言葉と同時に集まっていたメンバーが次々とバラバラになっていく。

ルゼはハイドとの約束?があるのでハイドの傍にいた。


「さて!試験も終わって無事合格、明日からは学園生活が待っていますってか!?」


「そうですね...楽しみですか?」


「おうよ!ルゼは楽しみじゃないのか?」


「いえ、楽しみですよ?」


「だろ?、まぁ合格したんだしこのあと飯行くだろ?もち俺の奢り」


「そうですね、ではお言葉に甘えさせていただきます」


こうしてルゼとハイドは近くの飯屋に向かう事になった。


_____________________________________



この後飯屋にて2人は自身の事を話ながら明日からの学園生活に備えるのであった


それはまた 次のお話し 

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