第4話 魔法学園入学試験 (2)

(私とハイドは 魔法威力計測器での試験でSランク、つまり最高ランクで通過する事ができた)


「それでは次は 魔法の応用力を見る試験 を行います!」

「今回の試験では自身の持つ魔法の多彩さや、自身の持つ魔法の組み合わせなどを見せていただきます」

「今回は魔法に指定があります」

「攻撃系の魔法などの使用は禁止されています」

「ですが、普段攻撃魔法として使っている魔法の使い方を少し変えて、防御魔法に変えるなどの工夫は了承されています」

「例を見せますのでみなさま注目してください」


という言葉を言い終えると試験監督の手のひらに光の玉が現れた


「これは普段であれば、敵に投げ任意に起爆し爆風を起こす魔法です」

「しかし、このように使えば」


手のひらにあった玉を真上に投げそこに火の粉のような小さな火の魔法を、光の玉を包むように展開、そして次の瞬間


バンッ! ピュゥゥー ボボボ


それはまるで打ち上げられた花火が綺麗な花をさかせたような見た目だった。


「なるほどなぁ~そういう事か」


ハイドは何かを理解したような口ぶりでブツブツと何かを言っている。


「このように!攻撃魔法も使い方次第ではこういった見せ方もできるというわけです」

「それでは順番にやってもらいます!」


ハイドと私以外の参加者も やはり試験に参加してるという事だけあって、やはりかなりのものを見せてくれる。


光の玉を生成してお手玉のような事をする者

マナの凝縮を工夫しドーナツ状に魔法を展開し、フラフープのように使う者


基本的には自身の魔法でパフォーマンスを見せている者が多いイメージだった。



「さて、俺の出番だな! いってくるぜ?」


ハイドの出番が回ってきた

ハイドの持つ銃は攻撃特化の武器だ、

それをどう見せてくるのか、しかと見せてもらうとしよう。


「すいません!試験監督さん!ちょっと今から見せる技のために的を用意したいんだけどいいですかね?」


「はい、かまいませんよ」


(的..?的あてのつもりか...?それでは応用にはならないんじゃないか?)


ハイドは的を20個用意、その1個1個すべての位置、高さ、奥行きなど、すべてがバラバラの的、先ほどのハイドの見せた一直線のレーザーではとてもこれらをすべて破壊したとしても、この試験では通らないだろう、なぜならこれは応用力を試す試験だからだ。


「よし!準備完了っと!応用力っていうのは...自分の能力の派生みたいなもんだろ」

「ならやることは一つしかねーな」

「セーフティー解除....」

「術式リンク開始.......リンク完了」

「全ステータスを機動力に移行」

【疑似加速起動】


バシュン!


音は一つだった、たしかに一つだった。

だが...............



設置された20個全ての的は正確にど真ん中を貫かれていた。


「ふぅ~...どうよ? さっきは威力、今回は機動力、これに踏まえてまだ6つ程あるんだが、これは十分応用力を示せたんじゃないか?」


そんな事を独り言のように言いながらこちらに戻ってくるハイド。


「次、ルゼだぜ!」


「わかっていますよ」


「いっちょ面白いの見せてくれ」


「期待に応えましょう」


そんな会話を軽く交わして規定の場所に着く。


(あまり人を超える力を使うのはよくないですが、人の身で扱える魔法の上位魔法を見せてあげるとしましょう)


「それでは、お見せしましょう。」


するとルゼの周りに色の違う光の玉が現れた

火、氷、風、闇、光、雷 の色をした光の玉だ。


「六属性統合開始」


その言葉と同時にルゼの周りを飛んでいた光の玉が一つに集まっていった


【新たな星誕生の時、私はそれを見届ける者】

【新星創造(ノヴァ)】


ルゼの頭上に黒と白がまざったかのような色の玉が浮いている

それに詰められている魔力量はハイドの位置からでも、試験監督の位置からでも理解できるほどのものだったらしく、皆呆然とした。


パチン


ルゼが指を鳴らすと同時にその光の玉は消え去った



......................................


「しゅ...終了!、以上で第2試験終了します!」

「次は第3の試験に移動します、移動開始までしばし休憩してください」


(休憩ですか...しばらく落ち着くのもいいかもしれませんね)


「おっ...おい!ルゼ!」

「い..いまの!天界魔法じゃないのか!?」


(天界魔法...そうかこの世界ではそういう呼ばれかただったな)


「そうですよ」


「ただもんではないと思ってたが、まさか6属性統合を行えるなんて、間違いなく試験はクリアだろ!?」


「それは合格するまでなんとも言えませんね」


「カーッ!俺はとんでもない友達を持ったもんだ!」


「友達...ですか」


「おうよ!俺の目に狂いはなかったぜ!」

「次で最後だし!頑張ろうぜ!  あっ!あと終わったら飯付き合ってくれ!」

「もちろん俺が奢るよ!」


(ふむ...私は食事や睡眠を必要としない、必要としないだけで、食事をとる事は問題ない、奢っていただけるみたいですし、この世界の食というものにも触れれる機会ですね...)


「わかりました、ですがまずは、次の試験に集中しましょう」


「おう!」


_____________________________________


(こうして、意識して人の身の能力を使用しているつもりが、周りから視れば、かなりの異常者、能力者であるとみられ始めている。

だが、あれほどの魔法ならば他に使える人間はいる。

多少警戒というか目はつけられるでしょうが、気にする必要もないですかね。)



そんな事を考えながら 最後の入学試験に挑むルゼとハイド


だがそれは次のお話し







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